トーマツの退任2件。
1.大 東 建 託(東証1部)
公認会計士等の異動に関するお知らせ(PDFファイル)
トーマツ→新日本、の交代です。
監査継続年数を理由としています。
「現任の会計監査人である有限責任監査法人トーマツの継続監査年数が 30年以上と長期にわたることから、改めて複数の監査法人との比較検討を行いました。その結果、グローバルに活動する建設業・不動産業の会社に対する監査実績がより多くあること、新たな視点での監査が期待できることから、 EY新日本有限責任監査法人が当社の会計監査人として適任であると判断し、同監査法人を当社の会計監査人として選任する議案内容を決定しました。」
新日本は、こういう悪い評判も調べて、受嘱したのでしょう。
↓
同業のレオパレスはたいへんなことになっています。
レオパレス再生難航…入居率伸び悩み、赤字脱せず(読売)
「資産と負債の差額を「純資産」と呼び、レオパレスは21年3月末時点で財務諸表上は純資産が32億円のプラスとなっている。子会社にフォートレスが出資した分を、「非支配株主持分」として純資産に計上しているためだ。
ただ、東京証券取引所は、純資産から「非支配株主持分」などを除いた「自己資本」を基に債務超過か否かを判断する。レオパレスは自己資本はマイナス84億円となるため、東証基準では債務超過となる。レオパレスは23年3月末(東証のコロナ禍に伴う特例を適用した場合)までに自己資本をプラスにできなければ上場廃止となる。」
2.日本パレットプール(ジャスダック)
会計監査人の異動に関するお知らせ(PDFファイル)
トーマツ→仰星監査法人、の交代です。
監査継続年数や監査対応が理由です。
「当該会計監査人につきましても、会計監査が適正かつ妥当に行われる体制を十分に備えておりますが、監査継続年数が長期に亘っていることに加え、監査対応に関しての当社の事業規模との相応性の観点から、他の監査法人と比較検討を行ってまいりました。」
現監査人の就任年は、1991 年です。
あらたの退任1件。
3.シード(東証1部)
会計監査人の異動に関するお知らせ(PDFファイル)
あらた→新日本、の交代です。
監査継続年数を理由にしていますが、7年は特に長くはないように思われます。また、代表取締役の在任期間が監査人交代と結びつく理由もよくわかりません(代表取締役の在任が長いから、せめて会計監査人でも変えようということ?)。
「現在の当社代表取締役が就任をして11年経過し、PwCあらた有限責任監査法人による監査は7期を数え、監査継続年数が長期にわたっていることから、新たな視点で当社の財務内容をチェックいただき、財務を含めた透明性の向上を更に図ることを目的として、会計監査人の異動決定に至ったものでございます。」
新日本の退任5件。トーマツとあらたから東証1部企業を1社ずつ獲得しましたが、退任も多かったようです。
4.フェイスネットワーク(東証1部)
会計監査人の異動に関するお知らせ(PDFファイル)
新日本→東陽監査法人、の交代です。
報酬増額要請がきっかけのようです。
「今般、EY 新日本有限責任監査法人より、契約の更新にあたり報酬の増額要請を受けました。これを受け、当社の事業規模に適した監査対応と監査費用の相当性等について、他の監査法人と比較検討してまいりました結果、上記3.の理由により、その後任として新たに東陽監査法人を会計監査人として選任するものであります。」
5.ニチリョク
会計監査人の異動に関するお知らせ(PDFファイル)
新日本→監査法人ハイビスカス、の交代です。
監査対応と監査費用が理由です。
「監査役会は、当社の事業規模に適した監査対応と監査費用の相当性について考慮した結果、その後任として新たに監査法人ハイビスカスを会計監査人として選任するものであります。 」
6.エ ン チ ョ ー(ジャスダック)
会計監査人の異動に関するお知らせ(PDFファイル)(プレスリリースのページから探してください。)
新日本→東陽監査法人、の交代です。
監査報酬が増加傾向であることがきっかけです。
「監査役会は、近年、監査報酬が増加傾向にあることなどを契機として、当社グループの事業規模に適した監査対応と監査費用の相当性について、他の監査法人と比較検討してまいりました。その結果、上記3.の理由により、東陽監査法人を新たな会計監査人として選任するものであります。」
7.QD レーザ(東証マザーズ)
公認会計士等の異動に関するお知らせ(PDFファイル)
新日本→みおぎ監査法人、の交代です。
想定以上の監査報酬増額が理由です。
「現在の会計監査人は、会計監査が適切かつ妥当に行われることを確保する体制を十分に備えているものの、当社が東証マザーズに上場する前後から監査報酬が増額となっておりました。今後も想定以上の増額が見込まれるとの申し出を受けたことを契機に、現在の事業規模や経済環境を踏まえた監査報酬の相当性について検討した結果、今般会計監査人を見直すこととし、上記3.の理由により、みおぎ監査法人を新たに会計監査人として選任するものです。」
8.セコニック(東証2部)
会計監査人の異動に関するお知らせ(PDFファイル)
新日本→Mazars 有限責任監査法人(準登録事務所)、の交代です。
監査報酬増加がきっかけです。
「当社は現任会計監査人である EY 新日本有限責任監査法人と第 87 期に向けた監査工数、監査報酬について協議をいたしました。その中で EY 新日本有限責任監査法人から、更なる監査工数の増大による監査費用の増加が見込まれる状況である旨の説明を受けました。そこで当社の事業規模や近年の当社の経営環境、業績等を踏まえた監査報酬の相当性を総合的に勘案した結果、今般会計監査人を見直すこととし、Mazars 有限責任監査法人を新たに会計監査人として選任するものであります。」
その他5件。
9.コムシード(名証セントレックス)
会計監査人の異動に関するお知らせ(PDFファイル)
太陽有限責任監査法人→Mazars 有限責任監査法人、の交代です。
監査対応や監査費用を理由としています。
「現在の会計監査人においても会計監査を適切かつ妥当に行われることを確保する体制を十分に備えていると考えておりますが、当社の事業規模に適した監査対応と監査費用の相当性について検討した結果、新たに Mazars有限責任監査法人を会計監査人として選任するものであります。」
10.三 光 産 業
会計監査人の異動 に関するお知らせ(PDFファイル)
Moore 至誠監査法人→監査法人まほろば、の交代です。
新たな視点や監査費用等を理由としています。
「当該会計監査人については、会計監査が適切かつ妥当に行われていることを確保する体制を十分にそなえているものの、当社の経営環境を踏まえた新たな視点での監査対応と監査費用等の相当性について総合的に検討した結果、上記3.の理由からその後任として新たに監査法人まほろばを会計監査人として選任するものであります。」
11.メ デ ィ ア リ ン ク ス(ジャスダック)
会計監査人の異動に関するお知らせ(PDFファイル)
東邦監査法人→監査法人まほろば、の交代です。
現監査人から、人員不足を理由に退任の申出があったとのことです。
「今般、東邦監査法人より、人員不足により現状の業務体制では適切な監査チームの編成が困難との理由から任期満了をもって会計監査人を退任する旨の意向を受けました。」
2020年3月期は限定付意見だったそうです。
「2019 年4月 1 日から 2020 年3月 31 日までの第 27 期連結会計年度の連結計算書類の監査について、子会社 MEDIA LINKS,INC.が所在するアメリカ合衆国コネチカット州で新型コロナウイルス感染症拡大阻止のため外出禁止令が出されたことにより実地棚卸を実施していないため、棚卸資産の数量について十分かつ適切な監査証拠を入手できなかったことから、限定付適正意見が付された監査報告書を受領しております。」
12.岡藤日産証券ホールディングス
公認会計士等の異動に関するお知らせ(PDFファイル)
監査法人まほろば→太陽有限責任監査法人、の交代です。
事業規模拡大に見合った監査対応などが理由です。
「現在の会計監査人については、会計監査が適切かつ妥当に行われることを確保する体制を十分に備えているものの、監査継続期間が長期にわたっていること及び当社の事業規模の拡大に見合った監査対応等について検討した結果、上記3.に記載した理由の通り、新たな会計監査人として太陽有限責任監査法人を選任するものであります。 」
「監査等委員会が太陽有限責任監査法人を会計監査人候補者とした理由は、2020 年 10 月1日付で行われた当社と日産証券株式会社との経営統合による事業規模の拡大に適した新たな視点での監査が期待できることに加え、同監査法人の品質管理体制、独立性、専門性、監査活動の実施体制、及び監査報酬の水準等を総合的に検討した結果、当社の会計監査が適正かつ妥当に行われることを確保する体制を備えているものと判断したためであります。」
13.燦キャピタルマネージメント(ジャスダック)
公認会計士等の異動及び一時会計監査人の選任に関するお知らせ
監査法人アリア→柴田公認会計士事務所・大瀧公認会計士事務所、の期中交代です。
現監査人との間で見解の相違が生じたとのことです。
「当社は、当社の会計監査人である監査法人アリアと、令和3年3月期連結決算にかかる監査業務において、当社の投資先である国内外の事業及び案件に係る評価等の会計処理を行うにあたり、現在、コロナ禍による緊急事態宣言が発令されている中、当社として、同監査法人の要請に応じて、評価確定のために必要な事業計画及び証憑を出来るだけ入手する等、監査の実施について誠実に対応して参りました。しかしながら、当社と同監査法人との間で、のれんの評価及び投資先の事業の見通し等について見解の相違が生じ、協議を重ねて参りましたが、相互理解には至らなかったことから、当社は、同監査法人に対して監査契約解除の申し入れを行い、令和3年5月25日付で監査契約の解除について合意いたしました。」
監査法人アリア側からの意見も記載されています。
「上記6に記載のとおり、燦キャピタルマネージメント株式会社代表者より、突然の会計監査人交代の申し出があったことから、やむなく、会社の申し入れを受諾し、辞任することになりました。」
これだけの情報で決めつけてはいけませんが、オピニオン・ショッピングという言葉が頭をよぎりました。
いずれにしても、後任監査人は、短期間で監査手続を完了し、結論を出さないといけないので、相当たいへんです。協会や金融庁からも、あとでみっちり調べられるでしょう。
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