会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

会計士不足が深刻 合格者減、採用枠に届かず(日経より)

会計士不足が深刻 合格者減、採用枠に届かず(記事冒頭のみ)

2月2日の日経夕刊で大きく出ていた記事です。

「公認会計士が足りなくなっている。上場企業の決算をチェックする会計士の作業は会計ルールが複雑になって増えているのに、会計士試験の合格者は減少。監査法人の採用枠を下回る状況が続いている。若手会計士を確保しようとする監査法人同士の競合が激しくなる一方、中小の監査法人では採用を断念するケースも出ている。」

記事のグラフをみてみると、2013年と14年がほんの少し監査法人採用枠に足りない程度です。2008年から2011年までは合格者の方が大幅に上回っており、これを見る限りでは「深刻」というほどでもないように思われます。日経の記事でも「大手3法人はそれぞれ300人程度を確保したもよう」とのことであり、各法人の会計士・合格者の在籍数(4~5千人?)からすると、十分なのではないでしょうか。

また、各大手法人の決算を見ても、監査収入はほぼ横ばいで、仕事がどんどん増えているという様子でもありません。

だたし、記事でいっているように、中小法人の採用は厳しいのかもしれません。何もしなくても人が来てくれる、足りなくなれば、非常勤者を簡単に確保できるという前提は崩れているのでしょう。

「人員不足を補うため、新日本監査法人は1月、会計士の業務を補佐するスタッフを約80人臨時で採用した。他の監査法人も別の監査法人に勤める会計士を中途で採用したり、論文式など最終試験に合格できなかった人を職員として採用し、合格後に会計士の業務に就いてもらう道を用意したりと知恵を絞っている。」

中途採用に応募して他の監査法人に移るというのは、必ずしもお勧めできません。中途採用では、次のリストラの際に不利な扱いを受けないとも限りません。もちろん、クライアントが危ない会社ばかりである、監査の質にまったく無関心でいつ金融庁の処分があってもおかしくないというような監査法人の場合は、早く見切りをつけた方がよいでしょう。

日経の記事のニュースソースは、TACです。そのTACの業績見込みに関する記事。

TAC営業益6割減の5億円 14年4~12月(日経)(記事冒頭のみ)

「資格取得学校を運営するTACの2014年4~12月期の連結営業利益は、前年同期比60%減の5億円程度となったようだ。主力の公認会計士や税理士の資格試験対策講座で、受講者数が落ち込んだ。」

5年前はこういう状況でした。

監査法人トーマツ「このままでは立ち行かなくなる」(mynewsjapan)

新日本監査 赤字転落で人余り、国策次第の会社(mynewsjapan)
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