糸川正晃衆院議員への脅迫事件で逮捕された中堅ゼネコン「平和奥田」元相談役が、外資系ファンド「サーベラス」の子会社「昭和地所」との間で、3階建てビルの買収を請け負っていたという記事。
「関係者の証言によると、山元容疑者はこの土地と、そこに建っている3階建てビルを買収したうえで昭和地所に転売する契約を同社と締結しており、昭和地所内の稟議(りんぎ)書に明記されているという。
山元容疑者は、関係会社などを使い、買収交渉を進めていた。土地は、04年11月までに、関係会社が取得し、昭和地所の関係会社に転売した。しかしビルは所有権などの権利関係が複雑で、売買予約の持ち分が十数分割されているなど、買収に難航した。」
結局この地上げは成功しなかったようです。
「結局、ビルは6月の期限に買収が間に合わず、山元容疑者側は、いったん昭和地所側に売却した土地を、6月29日付で平和奥田が買い戻す契約を登記している。」
ということは地上げ資金の出し手は平和奥田だったのでしょうか。またこの土地は結局誰のものになったのでしょうか。
地上げ利益、即日転売で1億円…糸川議員脅迫事件
この記事によると、平和奥田が地上げで1億円の利益を出したようです。
「平和奥田は05年5月、UR所有地に隣接する約180平方メートルの土地を地権者から約8億3000万円で買い取り、即日、米投資会社「サーベラス」傘下の都内の不動産会社に約9億3000万円で転売し、約1億円の利益を得た。」
毎日の記事では買い戻したとされています。毎日の記事で「山元容疑者側」といっているのが奥田平和だとすると、2005年5月に(買い戻しの条件付きで?)利益を計上し、翌年6月に買い戻したことになります。売却した期とその後の会計処理が気になります。
Mainichi Declines Comment on $100 Million Cerberus Libel Suit
もう一方の当事者であるサーベラスは、この南青山の土地取引に暴力団関係者が 関与したとの疑惑報道により名誉を棄損されたとして、2006年1月に毎日新聞に対して1億ドルの損害賠償を求めた裁判を起こしています。この提訴は糸川議員への脅迫事件の前ですが、結局、サーベラス側は地上げを成功させるために、法的手段と暴力団関係者を使ってマスコミと国会議員を黙らせようとしたのでしょうか。
ブルームバーグの記事によれば、サーベラスは告訴状で、山口組の下部組織と緊密な関係を持つ人物が昭和地所(サーベラスの不動産子会社)が関与する地上げに絡んでいたという疑惑を毎日の記事が報じたとしているようですが、今回の事件で疑惑は正しかったということになるのでしょう。
The article reported an allegation that a person with ``close ties'' to branches of the Yamaguchi-gumi, ``a large organized crime group in Japan,'' was linked to a land-sharking scheme involving Showa Jisho Co., a Tokyo-based real estate firm affiliated with Cerberus, the complaint states.
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