小倉クラッチ(ジャスダック)のプレスリリース。
2021 年3月期第3四半期の四半期連結財務諸表について、限定付結論の四半期レビュー報告書を受領したとのことです(監査人はあずさ監査法人)。
次のような限定付結論の根拠(一部抜粋)が書かれた四半期レビュー報告書だそうです。
「限定付結論の根拠
当第3四半期連結会計期間において四半期連結財務諸表を構成する連結子会社である小倉離合機(東莞)有限公司の総資産は4,328 百万円、小倉離合機(長興)有限公司の総資産は2,321 百万円であり、四半期連結貸借対照表の総資産の16.9%を占めている。
これらの連結子会社において、過年度より実地棚卸及び原価計算が適切に実施されていないこと等の理由により、実在性及び正確性が確認できない商品及び製品、仕掛品、原材料及び貯蔵品が存在することが判明したことから、実在性及び正確性が確認できなかった商品及び製品、仕掛品、原材料及び貯蔵品を残高から減額し、同額を売上原価として計上した。このため、当監査法人は、当第3四半期連結会計期間の四半期連結貸借対照表に計上されている商品及び製品324 百万円、仕掛品375 百万円、原材料及び貯蔵品927 百万円の実在性及び正確性について、結論の表明の基礎となる証拠を入手することができなかった。また、同様の理由から、当監査法人は、前連結会計年度の連結貸借対照表に計上されていた商品及び製品617 百万円、仕掛品319 百万円、原材料及び貯蔵品814 百万円の実在性及び正確性についても十分かつ適切な監査証拠を入手することができず、当第3四半期連結会計期間におけるこれらの資産の期首残高について結論の表明の基礎となる証拠を入手することができなかった。したがって、当監査法人は、当第3四半期連結累計期間の四半期連結損益計算書に計上されている売上原価5,326 百万円についても、結論の表明の基礎となる証拠を入手することができなかった。
(以下省略)」
2021年3月期第3四半期報告書(小倉クラッチ)(PDFファイル)
四半期レビュー報告書と内容が重なりますが、追加情報注記では以下のように記載しています。
(画像クリックで拡大)
会社は、確認不能部分をばさっとゼロ評価に落とすという保守的な会計処理をやったようですが、監査人にはそれでは許してもらえなかったようです。(理屈は監査人が正しい。)
小倉クラッチ、最終赤字15億円 20年4~12月(日経)
「併せて同日、監査法人から受領した財務諸表の四半期レビュー報告書が限定付結論だったとも明らかにした。海外の連結子会社で、資産の実在性や正確性についての十分な監査証拠を入手することができなかったことを踏まえた。同社では昨年末、海外子会社を巡る不適切会計が発覚して過年度決算を修正していた。」
東京証券取引所による「公表措置」の実施及び「改善報告書」の提出請求について(小倉クラッチ)(PDFファイル)
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