会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

八王子「崩落アパート」施工会社が倒産した顛末(東洋経済より)

八王子「崩落アパート」施工会社が倒産した顛末
事故後1カ月で自己破産、コンプラ違反歴も


アパート階段崩落死亡事故の施工会社の倒産を取り上げた記事。さまざまなコンプラ問題を起こしていたようです。

「渦中の会社が“案の定”倒産した。東京・八王子市で発生したアパート階段崩落死亡事故の施工会社「則武地所」(神奈川県相模原市)が5月13日、自己破産を申請したのだ。

負債は債権者120名に対し約6億円。4月17日の事故発生後、ゴールデンウィーク(GW)期間中の4月29日から5月12日まで、「GW及びコロナウイルス感染症拡大防止のため営業自粛」を自社ホームページ上で公表していたが、予定の13日になっても営業再開しないまま、事業継続を断念した。」


「則武地所は4月の死亡事故発生前から、業界内で「コンプライアンス面での課題が散見される会社」(取引先関係者)と見られていた。

たとえば、2020年2月に木くずや廃プラスチック等合計約3663立方メートルを産業廃棄物処理基準に従わない処分を行ったことを理由として、相模原市より廃棄物処理法に基づく行政処分を受けている。」

「内部管理体制にも以前から、課題が散見された。2017年12月から倒産まで代表取締役だったX氏は登記上の代表に過ぎず、実質的な経営者は「会長」と称するA氏とされていた。

2020年2月に相模原市から受けた行政処分の事案でも、市が公表した資料にA氏が実質経営者である旨やA氏の指示で基準に違反する処理を行っていた旨が明記されている。

このほか、業績が下降線をたどり始めた2018年頃から、取引先の間で工事代金の支払いが遅れているという話が飛び交った。「1年以上、未払いが続くこともザラだった」(都内の工事業者)。売上高が約9億7800万円とピーク時の半減以下となった2020年4月期中には、取引先の間で信用不安情報がたびたび出回る「倒産警戒銘柄」とすでになっていた。」

同社は、「同業他社と比べて20%以上低単価に抑えられる点をウリにしていた」そうですが、「手抜き工事」による低単価だった疑いが強いようです。

同社は、投資用アパートのオーナーへの不正融資にも関わっていたようです。

【独自】「則武地所」銀行への不正融資申請を提案か(TBS)

「男性が購入を検討したのは神奈川県内の木造2階建てアパート。販売価格は1980万円で賃貸に回した予定利回りは13%以上とされていました。男性は則武地所の会長から、“銀行から不正に融資を引き出す手口の説明を受けた”といいます。

「建設費用の試算をもとに銀行から融資をもらうんですけど、その試算以上の試算をつくりますよと」(物件購入を検討した男性)

会長は、則武地所が“建設費用を水増ししたウソの試算を作成し、それを元に銀行に融資を申請すれば販売価格を上回る融資を受けられる。余った金は別の投資などに回すことも出来る”と説明したといいます。」
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