金融庁及び市場関係者から構成される「新興市場等の信頼性回復・活性化策に係る協議会」による「新興市場等の信頼性回復・活性化に向けた工程表」が、2011年6月23日付で公表されました。昨年12月に公表された「金融資本市場及び金融産業の活性化等のためのアクションプラン」を受けて検討していたものです。
以下、プレスリリースより、会計や(上場準備会社の)監査に関係しそうな項目を抽出しました。
2.上場審査等の信頼性回復・負担軽減等
(3) 有価証券報告書等の虚偽記載の防止に向けた密度の高い情報共有
・日証協は、会計士協会の協力を得て「連絡会」を設置し、今後、同連絡会において、主幹事証券会社、監査人及び取引所の間で有価証券報告書等の虚偽記載の防止に向けた密度の高い情報共有を図るための意見交換を進める。〔平成23年9月までを目途〕
(4) 引受審査等における審査の適正化・明確化等
・日証協は、取引所及び証券会社等の協力を得て、反社会的勢力データベースの構築・照会等に関する検討の終了後、速やかに、反社会的勢力以外の者で市場において市場の透明性・公正性の確保の観点から問題があるとされる者(いわゆる「反市場的勢力」)の取扱いを検討すべきではないかとの指摘等を踏まえ、市場関係者の認識の共有を図りつつ、必要な検討を進める。
・日証協は、上場に向けた必要な準備事項の概要(参考モデル)を策定する。合せて、日証協及び取引所において、同準備事項の概要(参考モデル)及び上場審査スケジュールの概要(参考モデル)について、それぞれのホームページ等により周知を行う。〔平成24年3月までを目途〕
・上場準備会社の初年度監査の「遡及的監査」に関して、次の環境整備に取組む。
1)「遡及的監査」では、監査範囲の制約により「無限定適正意見」以外の意見が付される可能性があることから、上場準備会社において、事前に社内管理体制の整備が進められるよう、会計士協会・監査法人において、上場に向けた必要な準備事項(監査スケジュールの概要を含めた参考モデル)等を整理する。合せて、会計士協会・監査法人、取引所及び証券会社等において、その周知を行う。〔平成24年3月までを目途〕
2)現状、直前々期が「限定付適正意見」での上場が非常に少なく、「無限定適正意見」でないと上場承認が得にくいといった誤解が多いと考えられることから、取引所において、直前々期の「限定付適正意見」が許容可能であることの周知を図る。〔平成23年12月までを目途〕
3) 直前々期の意見不表明の可否については、遡及的監査の実施状況を踏まえつつ、いかにして投資者保護上の問題等を解決できるかについて、引き続き、金融庁及び市場関係者において意見交換を行う。
3.上場企業に対する負担の軽減及び適切な上場管理の実施
(5) 内部統制報告制度の見直し
・監査法人及び取引所において、今回の内部統制報告制度の見直し内容及び「内部統制報告制度に関する事例集」について、引き続き、上場会社及び上場準備会社に周知を図る。
今後、開示企業及び市場関係者から、具体的な事例についての意見があれば、それを集め、金融庁において、「内部統制報告制度に関する事例集」の充実を図る。
全文は↓
「新興市場等の信頼性回復・活性化に向けた工程表」について(日本証券業協会)
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監査基準委員会報告書「初年度監査の期首残高」の公開草案が最近出ており、遡及的監査にも関連するかもしれません。
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