会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

野村証券、社長ら10人が報酬返上 元社員の起訴受け(ロイターより)

野村証券、社長ら10人が報酬返上 元社員の起訴受け

野村證券の社員(当時)が強盗殺人未遂などの罪をおかしたとして起訴された事件で、社長らが役員報酬を(一部)返上するという記事。

「野村ホールディングス傘下の野村証券は3日、広島支店に所属していた元社員が強盗殺人未遂などの罪で起訴された事件で、責任明確化のため、奥田健太郎社長ら役員10人が役員報酬を返上すると発表した。奥田社長が事件を受けた対応策を説明し、謝罪した。

外部弁護士など有識者の助言も得た上で、副社長を委員長とする業務改革推進委員会を設置。当面の間は管理者が同席して顧客訪問時の監督を強化し、チームでの担当体制を拡充するなど新たな対応策も提示した。」

事件については...

「事件判明後に、元社員が担当していた208口座を調査。ほかに被害は確認できなかったという。事案発生前の元社員の行動に不審な点も検知できなかったとしたが、当時同社員は決められた申請・承認のプロセスを経ずに顧客の自宅を訪問していた。同社としては、営業成績のために行われた行為とは認識しておらず、動機は不明としている。」

野村証券 元社員の事件受け会見し陳謝 役員報酬を自主返上(NHK)(動画あり)

「野村証券は、奥田社長をはじめ経営幹部10人が責任を明確化するとして役員報酬を自主的に返上することを明らかにしました。このうち奥田社長は役員報酬の30%を3か月、自主返上するとしています。

理由について問われると「今回の事案を受けて当社としてはより根源的な、あるいは道義的な責任、それから信頼回復に対して重い責任を負っているというふうに認識をしている。この中で、代表取締役全員およびウェルスマネジメント部門の担当の役員より、自主返上の申し出を受け、外部の弁護士からアドバイスを受けて、相当な水準となるように金額を決定し、監査等委員会にも報告をしたうえで決定している」と述べました。

一方、奥田社長は「辞任ということは考えていない。お客様の信頼、それから安心をしっかり確保できる環境づくりを進めていくというのが私の責任だと思っている」と述べ、社長にとどまり会社の信頼回復に努める考えを示しました。」

岡山でも顧客が被害者となる大きな不祥事があったそうです。

「【顧客から9700万円余だまし取る】
広島の事件以外にも野村証券では岡山支店の元社員、××××被告が、かつての同僚と共謀しておととし4月までのおよそ半年間に支店時代の顧客など7人からあわせて9700万円余りをだまし取ったとして、詐欺や出資法違反などの罪に問われました。

被告は詐欺の罪について無罪を主張しましたが、1審の岡山地方裁判所はことし6月、懲役3年6か月を言い渡し、被告の控訴を受けた2審でも11月、広島高等裁判所岡山支部が懲役3年6か月の実刑判決を言い渡しました。」

野村証券、役員10人が報酬返上 元社員の強殺未遂で(日経)

日経記事では、対応策が少し詳しく書かれています。

「不正行為の予兆把握と社員の行動管理の2点に力点を置いた。営業担当者が顧客宅を訪問する際は当面の間、管理者が同席するか、訪問前後に電話面談を設ける。

今回の事案は休日の顧客訪問に必要だった事前承認を取らず社内ルールに違反した行動だった。

顧客に直接接する社員を対象に、行動を厳格に管理するために会社貸与の携帯電話やドライブレコーダーのデータ確認で不審な動きを検知する。

年に1回、一定期間連続での休暇取得も義務付ける。顧客への接触を遮断している間に他の社員が担当することで、不正が潜んでいないかをチェックする。休暇中には必要に応じ、管理者が取引内容を顧客に確認する。

人事評価の面で職業倫理やリスク管理などをより重視する運用に改める。上司のほかに部下や同僚からも評価を受ける「360度フィードバック」について、個人営業部門は管理職に加え、全社員を対象にする。

不正行為を抑止し、顧客本位の業務運営を徹底するため副社長をトップとする「業務改革推進委員会」も新たに設置した。対応策の実効性の検証や実践に必要な社内規則などを定める。」

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