日本公認会計士協会は、業種別委員会報告第37号「消費者金融会社等の利息返還請求による損失に係る引当金の計上に関する監査上の取扱い」の改正を、2012年5月15日付で公表しました。
「改正貸金業法が完全施行されたこと、公表から5年が経過したこと等を踏まえ、現行実務と整合を図るために行った」とされています。改正後は「業種別委員会実務指針」となります。
グレーゾーン金利の新たな発生はない、したがって、顧客に返すべき利息は増えていないのに、なぜ損失計上が続いているのかについて、興味があったので、この指針をみてみると、「原則として、過去の利息返還額の発生状況を分析し将来の利息返還損失額を合理的に見積もった上で、一括して計上されている必要があることに留意する」となっています。したがって、会社による見積りが正しければ、新たな損失計上はないことになります。
ただし、(参考)の利息返還損失引当金の算定方法の一例というのをみると、件数に「合理的な見積期間に係る返還実績率(補正考慮後)」を乗じて、返還件数を見積もっており、この期間次第で、相当幅が出てきそうです。また、引当金の金額は、返還件数の見積りに「平均返還額」を乗じて計算されることになっていますが、この部分でもぶれが生じているのでしょう。
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