会計検査院が、特定同族会社の留保金課税で、中小企業が免除されていることを問題視しているという記事。
「オーナー企業などの内部留保への課税を免除する制度を会計検査院が調べたところ、課税対象の企業よりも経営体力のある会社が免除の対象に含まれていることが、13日までの関係者の話で分かった。こうした企業は少なくとも400社あり、検査院は「課税の公平性が保てない恐れがある」などとして財務省に制度の検証を求める。」
免除されている会社から1万6千社を抽出して調べたそうです。
「関係者の話によると、資本金が1億円以下で、少数の株主に支配されている会社のうち約1万6千社を検査院が抽出し、課税対象となっている会社と財務基盤などを比較した。その結果、課税対象外でも自己資本比率と純資産が課税対象の企業と実質的に変わらないか上回る企業が約400社あった。
検査院は、財務基盤などの面から本来は課税対象になるべき中小企業が、資本金額など外形的な基準だけで対象外となり、実態と乖離(かいり)している可能性があると判断した。
約400社のうち約370社の17年度の留保金に課税した場合、約315億円を徴収できるとも試算している。」
“内部留保”課税の免除制度 再検討を提言へ 会計検査院(NHK)
「資本金が1億円以下の個人経営などの「中小特定同族会社」を対象に、内部留保への課税を免除する制度は、中小企業の財務基盤の強化を図ろうと平成19年の税制改正で設けられました。
会計検査院が、免除の対象となっている同族会社のうち、およそ1万6000社を抽出して調べたところ、400社余りが、資本金が1億円を超える課税対象の企業より、純資産と自己資本比率の2つの指標で財務基盤が強固であることがわかりました。」
改正の経緯など。
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中小同族会社の留保金課税制度の撤廃(タビスランド)
「中小企業については、資金調達能力が不足しており、内部留保を充実させていく必要から、平成12年度の税制改正で、一定の中小企業やベンチャー企業で青色申告法人については、同族会社の留保金課税を適用しない特例が設けられました。以後数度の改正を経て、平成18年度の税制改正では、対象となる法人について、従前は「同族関係者3グループで株式等50%超保有の法人」としていたのを、「同族関係者1グループで株式等50%超保有の法人」のみに限定した上で、さらに内部留保に対する控除額を大幅に引き上げることにより、平均的な配当を行えば課税されなくなるという抜本改正が行われました。
さらに、平成19年度の税制改正では、資本金の額又は出資金の額が1億円以下の「中小特定同族会社」については、留保金課税の適用対象から除外されることになります。」
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