過年度有価証券報告書等の訂正報告書の提出及び過年度決算短信訂正に関するお知らせ (PDFファイル)
Shinwa Wise Holdings(東証スタンダード)のプレスリリース(2024年11月5日)。
2024 年 11 月1日及び 2024 年 11 月5日付で有価証券報告書等の訂正報告書を提出したとのことです。普通は、1日で提出するのでしょうが、ファイルに不具合があって、一部遅れてしまったようです(→当サイトの関連記事)。また、別のプレスリリースによると2024年5月期の有報も提出したとのことです。
「当社は、2024 年7月4日付「子会社における不適切な会計処理の疑いの判明及び第三者委員会設置に関するお知らせ」にて開示しましたとおり、当社の連結子会社である Shinwa Prive 株式会社において、2021 年5月期頃から 2024 年5月期までのプライベートセールに関する不適切な会計処理により、実態と相違がある売上計上の精査が必要となる疑義が発生したため、事実関係の解明のために第三者委員会を組成し、調査を進めてまいりました。
今般、会計監査人による監査またはレビューが終了しましたことから、当社は、2024 年 11 月1日及び 2024年 11 月5日付で 2019 年5月期から 2023 年5月期までの有価証券報告書及び 2020 年5月期第1四半期から2024 年5月期第3四半期までの四半期報告書の訂正報告書を関東財務局に提出いたします。併せて、過年度の決算短信の訂正をいたしますので、お知らせいたします。」
2024 年5月期第3四半期で、影響額を見てみると...
(単位:千円)
純資産30億円程度の会社で、4億円の影響額ですから、重要な訂正といえます。
有報や訂正報告書を提出できたのはよかったのですが、監査報告書は限定付だったようです(監査人はUHY 東京監査法人)。
有価証券報告書等に係る監査報告書の限定付適正意見に関するお知らせ(PDFファイル)(19ページもあります。)
2023年5月期有報の監査報告書では...
「(22) 第 35 期(2024 年5月期) 有価証券報告書の訂正報告書に係る監査報告書
受領した第 35 期(2023 年5月期)の連結財務諸表に係る監査報告書の限定付適正意見の根拠(原文抜粋)は以下のとおりであります。
限定付適正意見の根拠
追加情報(不適切な会計処理)に記載されているとおり、会社は、連結子会社において、プライベートセールに関する不適切な会計処理が行われている疑いがあることが判明したため、2024 年 7 月 4 日に外部専門家で構成される第三者委員会を設置して調査を開始し、2024 年 9 月 6 日に同委員会より調査報告書を受領した。その結果、連結子会社が行った絵画等のアート作品のプライベートセール(以下、「アート売買取引」という。)の中に、売買契約締結時に売上計上されていたが、引渡時に売上計上されるべきであったものが含まれていたことが判明した。
会社は、アート売買取引の収益の認識時点の確認のために商品の引渡時点が確認できる外部証拠である受領確認書を取引先から入手して、当該証憑の確認が出来ない場合には、入金証憑、引渡時点を特定する出張記録、システムの出庫記録等の資料に基づき、売上の計上時期の訂正を行い、第 30 期から第 35 期第3四半期までの過年度の有価証券報告書等の訂正報告書を 2024 年 11 月1日に提出した。
当監査法人は、会社が入手した受領確認書を閲覧し、商品の引渡時点を確認したが、当連結会計年度のアート売買取引の売上高 16,597 千円(売上総利益 7,377 千円)の計上時期について裏付けとなる十分な記録及び資料を会社から入手することができなかった。また、前連結会計年度以前に計上された売上高の計上時期について、裏付けとなる十分な記録及び資料を確認できなかった取引のうち、当連結会計年度に商品の引渡しが行われて売上計上すべき取引が含まれている可能性がある。そのため、当連結会計年度の連結損益計算書に計上されているアート売買取引の売上高の期間帰属の妥当性について、十分かつ適切な監査証拠を入手することができなかった。
これらの影響は、アート売買取引の売上高に付随する項目に限定されており、当該影響を除外すれば、連結財務諸表は、Shinwa Wise Holdings 株式会社及び連結子会社の 2024 年5月 31 日現在の財政状態並びに同日をもって終了する連結会計年度の経営成績及びキャッシュ・フローの状況を、全ての重要な点において適正に表示している。したがって、連結財務諸表に及ぼす可能性のある影響は重要であるが広範ではない。...」
特別損失の計上に関するお知らせ(PDFファイル)
(訂正)「特別損失の計上に関するお知らせ」の一部訂正について(PDFファイル)
過年度決算修正費用にかかる特別損失(連結及び個別) 117,691,218 円を、2024年5月期の特別損失に計上したそうです。会社の規模からすると、大きな負担です。
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