会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

東電、震災特損1兆200億円 事故対応や廃炉費用など(日経より)

東電、震災特損1兆200億円 事故対応や廃炉費用など

東京電力の2011年3月期の連結決算が、最終損益1兆2473億円の赤字に転落したという記事。

「赤字の大半を占める震災特損は、福島第1原発の原子炉冷却や放射性物質の飛散防止に関連した費用、廃炉費用など合計1兆204億円繰り延べ税金資産も取り崩した。」

「問題は補償費用だ。「算定できない」という理由で前期決算には反映しなかったが、12年3月期から発生する数兆円とみられる負担をどう捻出していくか。」

震災関連(原発事故関連を含む)の損失やBS項目への影響は、こちらの資料をご覧ください。↓

(東電資料より)

特別損失の計上、繰延税金資産の取崩し、継続企業の前提に関する注記および業績予想との差異に関するお知らせ(PDFファイル)

肝心の決算短信はこちらです。↓
平成23年3月期決算短信(PDFファイル)

以下のような「継続企業の前提に関する注記」がなされています。

(クリックすると拡大します。)
細かいことを言うと、最初のパラグラフは、賠償責任を負うことが継続企業の前提への重要な疑義の原因のように書いていますが、あとのパラグラフは賠償金以外による資金繰りの問題があることも書かれています。

また、災害損失引当金などの見積り項目については、見積りの方法が比較的詳しく注記されているようです。マスコミ報道などと照らし合わせていけば、見積もりが甘い点が見つかるかもしれません。
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