金融庁の証券取引等監視委員会は、株式会社オプトロムが「重要な事項につき虚偽の記載がある」四半期報告書や発行開示書類を提出したなどとして、同社に対する課徴金納付命令を発出するよう勧告しました(2015年9月18日付)。
勧告された課徴金の額は、9,962万円です。
四半期報告書に関する指摘は以下のとおり。
「平成26年6月第1四半期から同年12月第3四半期において、衛星放送送信事業の譲受のための預託金の支払を装うなどして、新株予約権の割当先である合同会社会社コンシェルジュ(以下「コンシェルジュ」という。)のグループ会社ないしその実質的経営者等に資金を流出させていたが、同流出資金について適切な貸倒引当金繰入額の計上等をしなかったほか、インターネット広告事業にかかる提携先に対する長期貸付金について適切な貸倒引当金繰入額の計上等をしなかった。」
これにより、例えば2014年12月第3四半期では、連結四半期純損益が▲754百万円であるところを▲646百万円と記載、連結純資産額が▲646百万円であるところを▲538百万円と記載したとされています。
(これは、貸倒引当金の問題というより、資金を流出させたという点がポイントでしょう。)
発行開示書類に関しては、反社勢力との関係についての記述に虚偽記載があったと指摘しています。
「第一部【証券情報】第3【第三者割当の場合の特記事項】1【割当予定先の状況】「(6)割当予定先の実態」の欄において、割当予定先であるコンシェルジュについて、信用調査会社から、コンシェルジュの親会社に反社会的勢力等や違法行為との関わりに懸念がある人物との関係が指摘され、コンシェルジュが増資引受先として適格な相手方と言うことはできない旨の調査結果を得ていたにもかかわらず、その事実を記載することなく、当該欄に調査結果として「当該割当予定先の…主要株主が反社会的勢力等や違法行為に関わりを示す情報に該当はありませんでした。」と記載し、・・・」
監視委:オプトロムに虚偽記載容疑で課徴金納付の勧告(毎日)
「監視委によると、同社は昨年2月、新株予約権発行による第三者割当増資を発表。その際、新株予約権の割当先の会社に関し、信用調査会社から「反社会的勢力や違法行為との関わりに懸念がある」との情報を得ていたのに、有価証券届け出書には「関わりを示す情報に該当はない」とうその記載をし、約5億円を調達するなどした。
監視委が割当先の反社会的勢力に関する情報について虚偽記載を認定するのは初めて。・・・」
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