消費税引き上げに関する一般向け解説記事。軽減税率には課題が多いといっています。
「まず、適用品目の線引きだが、よく引き合いに出されるのは食料品の混乱ぶりだ。例えばフランスではマーガリンやキャビアが標準税率でバターやフォアグラが軽減税率だ。ファストフードでは多くの国が店内飲食は標準税率で持ち帰りは軽減税率という。要するに明確で合理的な説明がついていない。」
「企業の事務負担も無視できない。単一税率ならば10%でも現行の請求書等保存方式で対応可能だろうが、税率が複数になった場合は欧州などで広く実施されている取引ごとに消費税額を記載した請求書を添付するインボイス方式が不可欠といわれる。その事務コストに中小企業などでは今から戦々恐々としている。」
「そして税収減少問題だ。特に食料品などがゼロ税率の英国では、標準税率で得られるべき税収の5割が失われ、標準税率をその分高くしているとの民間研究グルーブの分析・提言が注目されている。同提言は15%の単一税率で所得減税による中低所得者対策を行っているニュージーランドを高く評価している。」
インボイス方式は、軽減税率を導入するかどうかにかかわらず、たぶん議論がなされると思います。
当サイトの関連記事(仕入税額控除の問題点について)
商品の「総額表示義務」、消費増税時は緩和 特措法案に追加へ(日経)(記事冒頭のみ)
「政府は消費増税の前後に限り、商品に税額を含めた価格の表示を求める「総額表示義務」を緩める方針だ。税率が上がる時に値札の貼り替えが間に合わなくても、貼り紙などの別の形で消費者に税額を含む価格を知らせるといった対応を認める。・・・」
総額表示義務付けは、消費者から消費税をできるだけみえなくしようとするこそくな制度といえます。消費税は、最終的には消費者が負担するものなのですから、税抜きの本体価格で表示し、代金の精算のときに、消費税を加算するようにすべきでしょう。その方が、転嫁もスムーズにいくでしょうし、税率変更時の事務作業も軽減されます。
消費税における「総額表示方式」の概要(財務省)
「消費税還元セール」禁止検討 自民税調(朝日)
最近の「企業会計」カテゴリーもっと見る
最近の記事
カテゴリー
バックナンバー
2000年
人気記事