会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

ウォンテッドリーの「批判記事排除」は問題だ(東洋経済より)

ウォンテッドリーの「批判記事排除」は問題だ
ネットでは「もみ消し」などできないのに…


9月に東証マザーズ上場予定の「ウォンテッドリー」という会社が、デジタルミレニアム著作権法(DMCA)に基づく検索結果からの除外申請(テイクダウン)を利用して、自社に都合の悪いウェブページを検索結果から外させていた疑いがあるという記事。

DMCAとは...

「DMCAでは著作権を侵害しているコンテンツについて適切な申請を行うことで、ネット検索から除外することができる。本来の目的は著作物保護であるが、ウェブページのごく一部にでも著作権侵害が認められれば、そのページ全体が検索結果から除外される。

この仕組みをSEO(検索エンジン最適化)テクニックと併用し、自社にとって都合の良い結果ばかりを上位に表示させ、都合の悪い結果を除外するサービスを提供している企業もある。

この仕組みが日本でもネットユーザーの中で広く知られるようになったのは、昨年春にタイの王室保養地ホアヒンビーチで、社員旅行の際に集団で全裸となって乱痴気騒ぎを引き起こし国際的な批判を受けた日本企業のDYMが、名指しで自社を批判するサイトを次々に検索除外したことがきっかけだった。」

ウォンテッドリーが排除しようとしたとされるページは...

「ウォンテッドリーがアクセス制限を申請したページは、INSTというベンチャー企業の社長が書くブログの特定エントリーだ(https://blog.inst-inc.com/wantedlyipo/)。このページでは、ウォンテッドリーの株式公開に対して批判的な内容が記されている。

ウォンテッドリーは、この中で創業者であり代表取締役社長でもある仲暁子氏の画像が、許諾なしに使われているとしてグーグルに対して検索除外の申請を行うとともに、同ページにリンクを張っているツイートに関してもTwitter社に除外申請を行った。該当ページだけではなく、該当ページにリンクしているツイートまで除外したため、あっという間に”ウォンテッドリーがDMCAで特定記事の発見を困難にしようとしているのでは?”という噂が広まった。」

「該当ページでは、ウォンテッドリー幹部がほとんど株を割り当てられておらず「やりがい搾取感が否めない」と指摘するなど私的な感想や、感情的に煽る表現なども書かれてはいるものの、投資家ならば疑問に思うだろうポイントもいくつか指摘している。

たとえば、2年前に行われた前回の投資ラウンドでは、投資前価値を90億円とバリュエーションして投資家を公募しているにも関わらず、今回の東証マザーズへの上場では40億円と半分以下の評価しての売り出し。つまり2年前に支援していた投資家よりも、安く買えることになり、公募価格より安く株を調達した一部株主しか旨味を得られないダウンラウンドになっている。

さらに調達資金の使途に関しても、事業拡大に伴うオフィスフロア増床と内装工事に割り当てるとしており、その金額は約4000万円。人材確保の費用などは調達を見込んでおらず、調達した資金を投じてどのように事業を前進させていくのか不明瞭な点も気になるところだ。ウォンテッドリーが、このタイミングで株式公開を行う理由が見えてこない。」

記事で指摘しているように、ブログの内容が気にいらなくても、放置するか、別途投資家向けの開示で疑問点を説明すれば、ダメージはほとんどなかったはずなのに、過剰反応でマイナスの結果となったようです。(画像無断使用については、ブログ筆者に削除を求めれば、いきなり検索除外を申請しなくても、解決していた可能性が高かったようです。)

この会社も出ています。監査人はトーマツです。

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