軽減税率とキャッシュレス決済に伴う「ポイント還元制度」により、消費者が実質負担する税率は5通りになるという一般向け解説記事。
「消費税率が10%の商品を百貨店や大手スーパーなど大企業の店舗で買えばポイント還元はなく、消費者は「10%」を全て負担することになる。しかし、個人経営の文具店など中小店舗で買えば5%の還元があるため「実質5%」となり、外食など大企業のフランチャイズ(FC)加盟店だと2%還元で「実質8%」。同様に軽減税率が適用される8%の商品でも実質税率が「8、6、3%」となる。」
さらに、中小企業の店舗でも、登録していないとキャッシュレスのポイント還元の対象とならず、中小の中でも分かれてきます。
「混乱のタネは実質税率の多さだけではない。国の登録外の店舗で買い物をしてもポイントは還元されないからだ。10月1日の開始当初の中小事業者の登録店舗は50万に届かず、対象となる約200万店の4分の1程度にとどまる。」
「経産省は今月20日に、対象店舗や還元率を地図上で検索できるスマートフォン向けアプリも公開。」
消費税とキャッシュレスのポイント還元は別の制度であり、また、ポイントを付けるのはキャッシュレスの事業者なので、店舗側の処理としては、普通の税率と軽減税率の区分がきちんとやれればよいのでしょう。買う側が企業などの場合は、税率の区別のほか、還元されるポイントをどう扱うのかという問題が、あるかもしれません。
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青山学院大学の三木義一学長は軽減税率への反対論を述べています。
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「単一税率が世界の潮流、なぜ日本は逆行するのか」青学・三木学長、軽減税率を斬る(税理士ドットコム)
「――「軽減税率は、線引きが分かりにくい」という声が多く上がっています。
恐らく10月は、大混乱になるでしょう。大きなトラブルが起こった場合は、訴訟になるリスクもあります。これまでずっと主張してきましたが、一体何のために軽減税率を入れるのですか。公明党は「逆進性の緩和のため」と主張します。ですが、逆進性は軽減税率では緩和されません。気持ち程度の緩和はあるかもしれませんが、根本的な解決方法にはならない。世界でも「軽減税率で逆進性を緩和するのは無理」ということで一致しています。」
「近年消費税を導入している国々は「単一税率にしよう」というのが常識です。区別をめぐる不合理なトラブルを避けられるからです。日本はここまで単一税率で頑張ってきたのに、なぜここにきて軽減税率を導入してしまうのか非常に残念です。軽減税率という税制ではなく、税収の配分や使い道、低所得者に配慮する仕組みを作るほうが効率的です。」
軽減税率によって制度を複雑にするのに加えて、ポイント還元でさらに複雑にしているわけですから、何をやっているのだろうと思います。
ポイント還元対象カード、番号6桁で判別 経産省(産経)
「クレカの番号は一般的に15桁と16桁のものがあるが、最初の6桁は発行会社などに割り振られており、残りが所有者の個人番号になっている。その特徴を利用して、最初の6桁を入力すればポイント還元の対象かが判別できるような仕組みにするという。」