会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

ヤフーなど声明発表「海外からの配信にも消費税課税を」(産経より)

ヤフーなど声明発表「海外からの配信にも消費税課税を」

ヤフー・ジャパンなどが海外からの電子書籍や音楽などのインターネット配信に消費税を適正に課税するよう求める声明を発表したという記事。

「現行制度では、消費税は課税対象が「国内の取引」と「モノの輸入」に限られているため、米アマゾン・ドット・コムなど海外から日本へ電子配信する場合は課税されていない。」

より詳しい記事。共同で正式の声明を出したというより、インターネット業界の会社が何社か参加したフォーラムで、参加者の意見をまとめた文書を採択したということのようです。

海外からの配信にも消費税課税を、国内ネット事業者などが共同で要望(Internetwatch)

「フォーラムの進行を務めた青山学院大学教授の三木義一氏は、現在の日本の税制では、インターネットサービスを国内から提供する場合には消費税が課税されるが、国外から提供する場合には課税されないという問題があると説明。また、事業者が国内であるか国外であるかの区別は、サービスを提供する事業所の所在地で判断しているとした。

 このため、たとえば電子書籍の場合であれば、海外から配信しているAmazonのような事業者には消費税がかからず、一方で国内事業者には消費税がかかるため、国内事業者が不利になっていると指摘。現在の消費税率は5%だが、今後8%、10%と税率が上がれば、国内事業者にとってはさらに大きな問題となり、こうした不公平な状況を解消するのが政府の役割だとした。」

関係する業界にとっては大問題ですが、現行の消費税の仕組みの中だけでは解決できそうもないので、先送りにされているのでしょう。

「ヤフーの別所氏は、Yahoo! JAPANの主要事業であるネット広告においても、国内事業者には消費税が課税されるが、海外事業者には課税されないため、今後消費税率が上がればさらに影響が大きくなるとした。また、事業者間取引(BtoB)であれば仕入税額控除があるから影響はないという意見もあるが、実際の営業現場では目に見える価格しか意識されていないという現状があるとして、正しく納税している事業者を競争上差別することのないようにしてほしいと訴えた。」

事業者間取引でも仕入税額が控除できない場合があり、「影響はない」というのは間違いでしょう。また、仕入する方が簡易課税を選択している場合や免税業者の場合も、課税仕入に該当するかどうかに関係なく、支払額だけで実質的な負担が決まります。

「フォーラムでは、インターネットサービスの提供にあたって、国内外の企業に平等に消費税が課税されることや、そのための法令の改正などの必要な整備を求める声明文を参加者の賛同により採択。この意見を今後、経済産業省に要望書として提出することを確認した。」

経産省だけでなく財務省にも提出しないと・・・。

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三木 義一

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