三菱ＵＦＪ銀行の貸金庫盗難、金融庁が報告徴求命令へ…被害総額は時価十数億円
三菱ＵＦＪ銀行貸金庫盗難事件（→当サイトの関連記事）で、金融庁が銀行法に基づく報告徴求命令を出すという記事。
「三菱ＵＦＪ銀行の行員（１１月１４日付で懲戒解雇）が貸金庫から顧客の現金や貴金属を盗んだ問題で、金融庁は同行に対し、近く銀行法に基づく報告徴求命令を出す方針を固めた。貸金庫の管理体制に問題があったとみて、原因究明と再発防止を求める。」
「貸金庫は顧客のほか、限られた行員だけが解錠できるが、元行員は貸金庫の管理責任を担う立場を利用して無断で解錠していた。」
三菱UFJ銀行 貸金庫の金品盗難 金融庁が報告徴求命令へ（NHK）
「金融庁は厳しい管理下にあるはずの貸金庫で長年にわたり被害を見抜けなかったことは金融機関の信用を損なう深刻な事態とみていて、原因の究明や再発防止策を検討するよう求めることにしています。」
そのそも金融庁検査でチェックしていなかったのでしょうか。
貸金庫からの盗難とは、ちょっと性格が違うかもしれませんが、米国では、金融機関従業員による顧客からの横領は、多額の罰金の対象となるようです。
米モルガンＳ、1500万ドル支払いへ－顧客資金横領問題でＳＥＣと和解（ブルームバーグ）
「米モルガン・スタンレーは、スミス・バーニー部門で元従業員４人による顧客資金数百万ドルの横領を防げなかった問題で、1500万ドル（約23億円）を支払い和解する。証券取引委員会（ＳＥＣ）が９日、明らかにした。」
「モルガン・スタンレーの広報担当者は、「これらの件を非常に深刻に受け止め、外部の専門家と協力しながら、管理体制を強化した」とコメント。ＳＥＣは、同社の自己申告や当局への協力、改善努力を考慮した上で解決に至ったと説明している。」
The Securities and Exchange Commission today charged Morgan Stanley Smith Barney LLC (MSSB) with failing to reasonably supervise four investment adviser and registered representatives (hereafter, financial advisors) who stole millions of dollars of advisory clients’ and brokerage customers’ funds and for failing to adopt policies and procedures reasonably designed to prevent and detect such theft. To settle the charges, MSSB agreed to pay a $15 million penalty and accept certain undertakings.
横領（窃盗theft）そのものというより、従業員の監督や、不正を防止･発見するための方針･手続の不備を問題にしているようです。
SECの責任者のコメント。
“Safeguarding investor assets is a fundamental duty of every financial services firm, but MSSB’s supervisory and compliance policy failures let its financial advisors make hundreds of unauthorized transfers from their customer and client accounts and put many other such accounts at significant risk of harm,” said Sanjay Wadhwa, Acting Director of the SEC’s Division of Enforcement. “
