会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

上場企業、政策株圧縮進む 日立や日鉄が削減 前期末6%減、売却額1兆9900億円 市場の圧力強く(日経より)

上場企業、政策株圧縮進む 日立や日鉄が削減 前期末6%減、売却額1兆9900億円 市場の圧力強く

上場企業が政策保有株の削減をさらに進めているという記事。

「日立製作所や日本製鉄などの上場企業が政策保有株を一段と減らしている。2023年3月期末時点で延べ5万3500銘柄前の期末より6%減り、10年3月期の開示開始以来で最少になった。東京証券取引所がPBR(株価純資産倍率)1倍割れ解消を求め、機関投資家が政策株を抱え続ける企業トップの取締役選任に反対を突き付ける。企業は売却で得た資金を成長投資に振り向けている。」

金融などを除く、3月決算会社約2200社の有報を調べたそうです。

売却額は...

「全体の売却額(未上場株を含む)は約1兆9900億円と、最も大きかった22年3月期(約2兆3100億円)に次ぐ高い水準となった。」

長期的な傾向は...

「野村資本市場研究所によると、上場企業全体の時価総額に占める「政策保有投資家」の比率90年度末時点で7割に達していたが、22年度末には約3割強まで低下した。」

こういう考え方が正しいかどうかは自信がありませんが、仮に、日本の上場企業全体をひとつのグループとして考えると、持ち合い株は自己株式みたいなもので、実質的な資本の金額を計算する場合には、各社の純資産の単純合計から差し引きべきものでしょう。それが解消されるということは、持ち合い株売却収入分だけ、日本の上場企業グループの外部(海外投資家、日本の機関投資家など)から資金調達を行い、純資産が膨らんだということになります。それが、時価総額の4割(=7割ー3割)だとすると、(解消時点の時価にもよりますが)数百兆円にもなるでしょう。だとすれば、配当を増やしたり、自己株買いをおこなったりして、膨らんだ資本を減らそうとするのは自然な動きなのかもしれません。

我が国上場企業の株式持ち合い状況(2020 年度)(野村資本市場研究所)(PDFファイル)

(野村資本市場研究所上記レポートより)

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