会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

レオパレス21が30億円申告漏れ 一部は所得隠し

レオパレス21が30億円申告漏れ 一部は所得隠し

アパート賃貸大手のレオパレス21が税務調査で、07年3月期までの5年間で計約30億円の法人税の申告漏れを指摘されていたという記事。

どこの会社でもありそうな交際費の指摘が大きかったようですが、関連当事者への利益供与のような取引も問題になっています。

「関係者によると、レオ社は「抗菌施工」というアパート室内の消毒作業を清掃会社「メンテ21」(同区)に委託していたが、実際の作業はメンテ社から再び委託を受ける形でレオ社がほとんど実施していたという。

 国税局は、入居者から支払われる1室当たりの代金約1万5千円のうち40%程度をメンテ社が受け取る仕組みを問題視。レオ社からメンテ社への事実上の利益供与にあたり、税務上は損金(経費)とは認められない寄付金にあたると認定したという。

 民間信用調査会社によると、メンテ社の現社長はかつてレオ社の役員。レオ社の創業者一族が役員を務めていたこともある。」

取引を仮装して創業者や役員が関係した会社に常識はずれの利益を与えていたということですから、単なる税務問題ではなく、会計上の不正の可能性もあります。(水増しされた料金を支払っていた入居者も被害者かもしれません。)

「・・・駐車場を借りている入居者からの駐車場賃料にかかる消費税も申告しなかったとして、05~07年分にかかる約5億円の申告漏れを指摘されたという。」

消費税では、住宅賃貸や土地の賃貸は非課税ですから、住宅賃貸に付随する駐車場賃料の課税・非課税は微妙なところかもしれませんが、100億円(=5億円÷5%)も取引があるのなら、きちんと調べるべきだったのでしょう。

地代、家賃や権利金、敷金など(国税庁サイトより)
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