米国の国務長官が、(米国上場会社を念頭に置いたものだと思いますが)中国企業に詐欺的な会計慣行があると指摘する声明を出したという記事。
「米国のポンペオ国務長官は4日、米新興株式市場を運営するナスダックが中国企業を念頭に監査体制を厳格化する方針を示したことに関し、「世界の証券取引所のモデルになるべきだ」との声明を出した。中国企業に対する監視強化を呼びかけたもので、米中対立に一段と拍車がかかる可能性がある。
ポンペオ氏は、中国企業について「詐欺的な会計慣行」があると指摘し、「米投資家は、米企業と同じ規則を守らない企業による不当なリスクにさらされるべきではない」と強調した。」
日本企業の会計や会計監査も、一時期、世界から質を疑われ、いわゆるレジェンド問題が生じました。中国企業の不正会計・会計監査問題も、それと似ていますが、米中対立の材料のひとつとなっているため、より問題が大きくなっているようです。
日本で上場している中国企業はほとんどないので、米国務長官に呼びかけられても、関係はなさそうですが...。
米国務長官、世界の証取に中国企業の上場規則厳格化呼び掛け(ロイター)
「ポンペオ長官は、声明で「米投資家は、米企業と同じ規則を順守しない企業に伴う隠された不当なリスクにさらされるべきではない」と指摘。「ナスダックの措置は米国の他の取引所や世界の取引所にとってモデルとなるべきだ」と語った。
また「全ての上場企業が国際的な会計・監査基準を確実に順守することを監査法人に義務付けたナスダックを称賛する」と述べた。
トランプ米大統領は4日、文書を発表し、米市場に上場している中国企業の監査を同国政府は認めていないとし、米国の投資家を守るための勧告を60日以内に出すよう求めるた。」
「SECは、米上場中国企業の会計監査を巡り、中国政府と長年にわたり対立しており、SEC傘下の上場企業会計監視委員会(PCAOB)は、これら企業の重要情報に依然としてアクセスできていないとしている。
SECのクレイトン委員長は4月、投資家に対し、情報公開の面で懸念があることから米市場に上場する中国企業への投資には慎重に対応するよう呼び掛けた。
ある米政府高官は、2013年にSECが中国と調印した覚書を見直すことに期待を示した。この覚書は、中国の法律で情報開示が禁止されている場合、中国企業に情報を公開しないことを認めるもの。」
中国企業監視、世界の証取に訴え 米国務長官(時事)
「ポンペオ米国務長官は4日、米新興株式市場を運営するナスダックが中国企業を念頭に、外国企業の新規上場基準の厳格化を決めたことについて声明を発表し、「世界の証券取引所ルールのモデルとなる」と訴えた。国際会計基準を満たさない中国企業の不公正慣行を非難し、監視強化を呼び掛けた。」
Pompeo urges global stock exchanges to tighten rules for Chinese companies(CNBC)
日本も、外国からつっこまれたくなかったら、企業開示のレベルを維持しないといけないのでしょう。ところが、最近は、新型コロナでたいへんだから、減損会計は緩くていいという話がマスコミで報道されたりしています。会計士協会はそれを否定するコメントを直ちに出しましたが、金融庁からは公式なコメントはなく、報道を認めた形になっています。たぶん、もともと金融庁から出た話だったのでしょう。
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