会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

山梨県、「格安賃料」で富士急に巨額賠償請求も(東洋経済より)

山梨県、「格安賃料」で富士急に巨額賠償請求も
知事の是正指示で、県有地めぐる訴訟に新展開


山梨県が富士急行に貸している県有地の賃料水準が、鑑定評価を大幅に下回っていたことがわかって、問題になっているという記事。

「県が専門家に委託して不動産鑑定評価を実施したところ、富士急が県に支払ってきた富士山麓の別荘地など県有林約440ヘクタールの賃料が、鑑定評価(2017年4月1日時点)に基づき適正とされた賃料の6分の1以下にすぎなかった。

県では今後、過去にさかのぼって調査を進めるとともに、「賃料が適正な水準と比べて著しく低いことが判明した場合には、元知事や富士急に損害賠償請求をしていく用意がある」(県関係者)という。」

2017年に住民訴訟が起こされ、当初、県は原告の主張には理由がないなどと反論していたそうですが、2019年に知事が交代してから、風向きが変わったそうです。

「ところが今夏になって県は姿勢を大きく転換させた。県の訴訟代理人を務める3人の弁護士が7月31日付で辞任するとともに、新たに別の弁護士が就任。8月12日付の甲府地裁への上申書において、「透明性の確保と県民に対する説明責任の徹底が特に求められる」と述べたうえで、開発前の素地価格を賃料算定の基礎とすべきとしていた従来の主張を撤回。不動産鑑定評価を実施した。

今回実施された鑑定評価によれば、現在の利用状況に基づくと、別荘地やゴルフ場などに使用されている県有地(約440ヘクタール)の賃料は年額20億1157万円(2017年4月1日時点の価格)が適正であるとされた。これに対し、2017年3月末に県と富士急との間で締結された契約書では2017年の賃料はその6分の1、3億2530万円にとどまっている。

今後、県では「安すぎる賃料が設定された経緯や歴代知事の判断の是非について調査を進めるとともに、過失があったと認定された場合には歴代知事への損害賠償請求の可能性もある」(県関係者)という。加えて「富士急にも損害賠償や不当利得の返還を求めていく方向だ」(同)。その金額は総額で150億円にのぼる可能性があるという。」

森友事件以降、公有地の価格への注目が高まっていることの影響もあるのでしょうか。

また、地方自治体が、別荘地やゴルフ場に、相場より著しく低い賃料で貸す意味はないでしょう。

もっとも、一般に、今別荘やゴルフ場の事業が特に儲かる事業とも思えないので、鑑定評価で出てきた数字自体が本当に相場なのかという問題はあるのかもしれません。
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