独立行政法人「石油天然ガス・金属鉱物資源機構」の汚職事件で、元職員の容疑者と贈賄側の癒着を疑う指摘があったにもかかわらず、機構が十分な調査をせずに事実上放置していたという記事。
「機構や内部資料などによると、探査船「資源」の運航計画などを打ち合わせるため、同機構で08年10月ごろに開かれた会議で、平山容疑者(注:機構の元職員)は、岩松容疑者(注:贈賄側)が新たに同月設立した人材派遣会社「N.O.D.」から探査船事業の調査員を採用する案を明らかにした。その後、翌年1月ごろの会議で、平山容疑者が出した年賀状の記載から、N社の本店が、平山容疑者が所有するマンションの部屋と同じ場所であることを出席者が指摘。両者の関係を問題視し、調査を求めたという。
一連の会議には、同機構の理事(当時)や平山容疑者の直属の上司などが出席していた。だが、09年4月にはN社の社員3人を探査船事業の調査員などに採用した。同機構側は「規定に沿って採用しているので問題ない」とし、1月に会議で出た指摘に関する調査も行わなかったという。」
事件は、探査船の乗組員採用にあたり、贈賄側の会社の社員が採用されるよう有利な取り計らいをした見返りに、機構の職員が計約3千万円のわいろを受け取っていたというものです。贈収賄事件ですが、わいろの一部を機構への水増し請求で回収していたようですから、横領事件とみることもできます。
支払先の住所と役員・従業員の住所が一致していないかどうかは、支払先に関するデータと役員・従業員の人事データを照合すればわかります。あまり一般的ではないかもしれませんが、そういうチェックをやっている会社があってもおかしくはありません。
それにしても、上場企業にJ-SOXの負担を求めるのであれば、税金で運営している独法には、J-SOX以上の内部統制の評価や外部監査を制度化すべきだと思うのですが。
経産省独法元職員を逮捕 資源探査船事業めぐり3千万円収賄(産経)
独法元職員、人件費2千万円水増し 贈賄側に利益供与か(朝日)
わいろに消費税上乗せ、取引偽装か…経産省独法(読売)
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