当社元役員による不正行為発覚に伴う特別調査委員会設置並びに2024 年3月期第3四半期決算発表の延期及び当該四半期報告書の提出期限の延長申請の検討に関するお知らせ(PDFファイル)
ICDAホールディングス(東証スタンダード)のプレスリリース(2024年2月1日)。
子会社(社名からすると自動車販売会社?)において、元役員による不正が発覚したとのことです。
「2023 年 11 月から実施されている当社子会社に対する税務調査及び社内調査の過程で、当社元役員が2016 年 4 月から 2023 年 10 月までの期間において、中古車の買取取引等を利用して金銭の着服を行ってきたことが判明いたしました。現時点において当社は、元役員による自供により判明した本件不正行為の事実関係及び手口を認識しております。なお、これまでの税務調査及び社内調査により判明した元役員の着服金額は、累計約 270 百万円と推定しております。 」
半期(2023年4-9月)の売上が約150億円の会社ですから、270百万円はそれなりに大きな金額です。
新車の仕入れなら、自動車メーカーとの請求書(取引明細書)に車両の仕入れ金額やリベートの金額が網羅的に記載されているでしょうから、そこで不正をやるのは難しいかもしれません。しかし、中古車の買い取りなら、例えば、実際は100万円で買い取った車両を120万円で買ったことにして、差額を着服するのは可能なのかもしれません。その中古車の販売で赤字になったりすれば、追及される可能性がありますが、役員になるくらいですから、たぶん中古車販売に精通した人物で、赤字にならないような金額はわかるのでしょう。あるいは、中古車を仕入れたのに、会社の帳簿に記載せず、簿外で勝手に取引し、差益を着服するということも考えられます。当然、会社は中古車取引をめぐるさまざまな不正パターンを知っていて、対策は立てているでしょうが、販売拠点の幹部が不正実行者の場合は、チェックが効かないこともあるでしょう。
会社は、特別調査委員会を設置してさらに調べるそうです。
また、2月13日に予定していた2024 年3月期第3四半期決算発表は延期し、四半期報告書は、提出期限延長申請の検討を行うとのことです。