特別調査委員会設置及び 2025 年3月期第2四半期決算発表延期に関するお知らせ(PDFファイル)
プロトコーポレーション(東証プライム)のプレスリリース(2024年10月18日)。
社員による架空取引が発覚し、特別調査委員会を設置して調べるとのことです。一時的とはいえ、その社員と連絡が取れなくなったというのはこわい...。
「2024 年5月、当社社員による一部取引において、売掛金が未回収となる事案が発生したことを受けて、当該社員に事情を確認しようとしたところ、当該社員との連絡が取れなくなりましたが、その後、7月以降に当該社員と直接連絡がとれ、当社において事実関係の確認を進めてまいりました。その結果、当該社員が 2016 年頃より架空取引(役務提供の裏付けが確認できないままに取引先等と送受金がなされている取引)を行い、当社において一定の規模で取引先に対する架空の売上及び売上原価が計上されている疑い(以下「本件事案」といいます。)があることが判明いたしました。
当社は、本件事案について社内調査を行い全容の解明に努めてまいりましたが、本件事案の期間が長期に亘ることから、当該社員や取引先、仕入れ先等への確認等に時間を要しておりました。本件事案についてはその概要が判明してきたものの、引き続き本件事案の全容解明が必要であること、同種又は類似事案の存否の確認等も必要となることから、更に徹底して網羅的な調査を行うため、本日の取締役会において、当社と利害関係を有さない弁護士及び公認会計士からなる特別調査委員会を設置することを決議いたしました。
なお、現時点で、本件事案に係る期間は 2016 年7月から 2024 年3月、本件事案に係る架空の売上は 1,831 百万円、架空の売上原価は 1,978 百万円と認識しております。」
5月時点で、売掛金未回収がわかったようですが、2024年3月期決算やその監査では、その問題についてどのように扱ったのでしょうか。
また、第1四半期の決算発表を8月5日に行っています。その時点で、調査中だったとしても、いったん決算発表を延期して、不正取引の影響を確かめるべきだったのではないでしょうか。四半期報告書が廃止され、四半期レビューも廃止されたことで、甘く見ていたのでしょうか。
なお、会計監査人は、あずさ監査法人の名古屋事務所のようです(前期有報による)。
また、調査委員会のメンバーは、アンダーソン・毛利・友常法律事務所の弁護士2名とPwCの会計士1名です(報酬高そう?)。
同社の事業内容を見ると、自動車販売店(新車・中古車)や自動車整備工場から情報を集めデータベース化し、販売店らに情報提供するというビジネスのようです。グーネットという中古車情報のサイトも運営しています。こういうビジネスのどの部分で架空取引(それなりに大きな金額です)が発生したのか、知りたいところです。特定の相手先に大きな売上を計上するというビジネスではなさそうなのですが...
プロトコーポ、決算発表を延期 社員が架空取引疑い(日経)(記事冒頭のみ)
「中古車情報サイト「グーネット」を運営するプロトコーポレーションは18日、社員が架空取引をしていた疑いが発覚したと発表した。」
中古車情報「グーネット」運営会社、18億円超の架空売り上げ計上(朝日)
「中古車情報サイト「グーネット」を運営するプロトコーポレーション(名古屋市)は18日、社員による不適切取引があったと発表した。現時点で2016年7月~24年3月に計18億3100万円の架空の売り上げが計上されていたことを確認したという。」