会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

野田聖子と『GACKTコイン』をめぐる圧力騒動の全舞台裏(現代ビジネスより)

野田聖子と『GACKTコイン』をめぐる圧力騒動の全舞台裏

野田聖子総務相関連の仮想通貨問題の詳しい記事。金融庁が情報を漏らしていたというのは、これの派生問題です。

「報道を受けて野田氏は、「仮想通貨業の一般的な説明を受けただけで、圧力ではない」と、会見で釈明、政治家としての認識不足を露わにした。秘書が呼び付け、監督官庁の担当者が議員会館の野田事務所に出向き、違法を疑われる業者に説明するのは、圧力以外の何物でもない。疑わしき業者は、監督官庁に自ら出向き、「意向を伺う」のが普通だ。

「無登録で仮想通貨交換業」を行なっていたのは、スピンドルという仮想通貨を運営するBLACK STAR&CO。同社は、野田氏が「知り合い」であると認める歌手で俳優のGACKTがスタッフとして参加、「広告塔」にもなっている関係で、スピンドルには「GACKTコイン」の別名もある。

また、野田氏とGACKTの関係をとりもったのは夫の野田文信氏であり、スピンドルの立ち上げ時からBLACK社を支援、後述するように仮想通貨交換業者にスピンドルの上場を働きかけるなど、深く関与していた。創業メンバーには一定割合のSPDトークン(スピンドルの通貨記号SPDの通貨引換証)が割り当てられており、文信氏も権利を持つ。

つまり、野田事務所による金融庁担当者の呼び出しは、「単なる陳情処理」ではなく、夫妻の知人が絡むビジネスで、しかも夫妻の収入にも直結する。他の「スピンドルの政治優遇」や、「売却による利益確定」などの事実が発覚すれば、政治責任は免れず、総裁選出馬どころではない。」

どういう投資スキームかというと...

「スピンドルとは、参加者が自分の資金と引き換えにSPDトークンを取得、それを用いて仮想通貨ヘッジファンドに投資するというICO(仮想通貨を使った資金調達でイニシャル・コイン・オファリングの略)プロジェクトである。

2017年は仮想通貨が軒並み上昇、バブルの様相を呈したが、それに伴ってICOプロジェクトも次々に立ち上がり、スピンドルは17年末にホワイトペーパーと呼ばれる事業計画書を発表。その前に「プレセール」という形で募集を開始しており、GACKTの参加もあって人気を高めていた。」

「...2月19日には、金融庁から「スピンドルを販売しないように」という行政指導を受ける。

ただ、1月28日を最終期限とする「プレセール」は終了しており、当面の目的は果たした。1月26日に580億円が流出したコインチェック事件が発生、仮想通貨バブルは弾けており、スピンドルはブーム最後のICOになったといっていい。」

プレセールで売った分は、結果として、金融庁は容認したということになるのでしょう。(大臣に忖度して、摘発しなかった?)

記事によると、プレセール時に、スピンドルには1SPD750円をいう値段がついていたそうですが、その後暴落して「現在、1円内外で推移している」とのことです。

「...金融庁の姿勢は、野田事務所からの「圧力」と野田事務所への情報漏洩が、ともに発覚したこともあって、スピンドル対応は、より厳しくなっている。となるとスピンドルは失敗したICOプロジェクト。壊れた夢は仲間割れを生み、互いを刺す内紛に発展しかねず、その萌芽は、既に出始めている。」

その他仮想通貨関連記事。

「日本の仮想通貨規制にはビジネスセンスがない」「新規ビジネスが止まり日本は世界に遅れを取りつつある」、日本の仮想通貨規制で国際競争力が失われる懸念を表明(仮想通貨Watch)

東京大学で開催された「HashHub Conference 2018」というイベントを紹介した記事(東京大学が主催したわけではありません)。

パネル・ディスカッションには、「ブロックチェーン会計士」を名乗る人も登壇したそうです。

焦点:仮想通貨先進国のスイス、銀行取引停止で事業流出か(ロイター)

スイスでは、銀行が仮想通貨関連取引から手を引きつつあるという記事。

(朝鮮日報日本語版) シンイルHPから会長名削除、電話通じず=露軍艦「ドンスコイ」金塊詐欺疑惑(Yahoo)

韓国で起きた仮想通貨関連の詐欺(?)事件の記事。

「韓国・鬱陵島沖に沈没したロシアの軍艦「ドンスコイ」を引き揚げるとして、「シンイル・ゴールド・コイン」という仮想通貨の投資者を募っていたシンイル・グループがホームページ上から告知文を削除、経営陣を変更していたことが24日に確認された。投資者たちは「シンイル側は投資金返却要求を無視しており、電話にも出ない」と語った。シンイル・グループは「1905年に沈没した同号に150兆ウォン(約15兆円)相当の金塊が積み込まれている」と主張していた。」
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