会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

スルガ銀「シェアハウス」のずさん審査に疑問(東洋経済より)

スルガ銀「シェアハウス」のずさん審査に疑問
高収益で地銀のベンチマークだったが…


スルガ銀行によるシェアハウス融資の審査がずさんだったという記事。

地銀のビジネスモデルとしては成功していましたが...

「スルガ銀行は、建物の耐久年数を超える長期の融資など、他行が躊躇するような不動産向け案件を積極的に手掛けてきた。

その特徴は「早い・長い・高い」。「独自の審査基準や商品があるため融資回答が早く、融資期間は長く、貸付金利は高い」(あるアナリスト)。地方銀行全体が低金利に苦しむ中、厚い利ザヤを背景とした収益力の高さは群を抜く存在だ。」

「だが今回の融資では、提出した預金通帳の写しなどに改ざんがあったと多くのオーナーが声を上げている。「スマートデイズ被害者の会」が実施したアンケートでは、72人中60人が書類の改ざんなど不正の疑いがあったと回答した。誰の手で不正が行われたかは不明だが、もし与信の可否を左右する信用力を確認する書類に改ざんがあったのならば、誤った判断で融資が実行された可能性がある。

融資を受ける際に使途自由のフリーローンを借りたオーナーも多い。7.5%の金利でローンを借りた50代の男性は「スキームが自動的に出来上がっていて、仲介業者からフリーローンと定期預金の契約をセットで求められた。少なくとも2年間は解約しないよう言われた」という。」

銀行の内部統制はよく知りませんが、融資実行の際の手続はチェックポイントでしょう。不備はなかったのでしょうか。経営上まずいだけでなく、債務者や投資内容に関する情報が最初から間違っていたら、貸倒引当金が正しく計上できないおそれがあります。

【スルガ銀行】一点特化の収益力は地銀随一も、難局に備えた再投資が課題(DOL)

「この好業績を支えるのが、住宅ローンを中心とする個人向け融資に特化した独自の収益構造だ。」

「さかのぼること三十数年前。周辺の大手地銀が法人向け融資でしのぎを削る中、特徴のない県内の2番手地銀だったスルガ銀は生き残りを懸け、岡野光喜頭取(当時)の大号令で個人向け融資特化型にモデルチェンジした。

その後、過去の融資実績を基に独自で与信判断するシステムを構築。加えて、主婦や転職直後の人など、他行がちゅうちょする顧客層にも高金利で融資を実行した。高いリスクを取りつつも、それをコントロールする体制を整えた点が、同行の収益構造の肝だ。

近年では、軸足を「パーソナルローン」に移行。主に投資用不動産への融資銀行カードローンで構成され、貸出金利は5.88%(17年3月期)と高めだ。13年3月期と比べると、融資額も3488億円から8118億円へと2倍以上に膨れ上がっている。

 こうした差別化の結果、個人向け融資の残高は飛躍的に増加。融資全体の貸出金利も、地銀の平均値が1.2%まで落ちる中で、スルガ銀は3.62%まで伸ばし、その差を2ポイント以上に広げた(図(2))。

高金利の融資で高収益を上げる“ハイリスク・ハイリターン”戦略で、収益の屋台骨である「資金利益」を伸ばしたというわけだ。」
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