金融庁は、「企業内容等の開示に関する内閣府令」等の改正案を、2017年10月24日に公表しました。
主として、金融審議会「ディスクロージャーワーキング・グループ」報告の提言を踏まえた以下の改正です。
○開示内容の共通化・合理化
・有価証券報告書及び事業報告における大株主の状況に係る記載の共通化
有価証券報告書等の「大株主の状況」における株式所有割合の算定の基礎となる発行済株式について、議決権に着目している事業報告と同様に自己株式を控除することとし、両者の記載内容を共通化します。
・新株予約権等の記載の合理化
「新株予約権等の状況」、「ライツプランの内容」及び「ストックオプション制度の内容」の項目を「新株予約権等の状況」に統合します。この際、現行様式の表を撤廃し、企業の判断により過去発行分を一覧表形式で記載することを可能とします。
また、ストックオプションについては、財務諸表注記(日本基準の場合)で記載されている場合、当該記載の参照を可能とします。
さらに、「新株予約権等の状況」については、事業年度末及び有価証券報告書提出日の前月末現在の記載を求めているところ、事業年度末の情報から変更がなければ、後者については変更ない旨の記載のみでよいこととします。
・株主総会日程の柔軟化のための開示の見直し
有価証券報告書における「大株主の状況」の記載時点を、事業年度末から、原則として議決権行使基準日へ変更します。
○「財務状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」に係る記載の統合と対話に資する内容の充実
「業績等の概要」及び「生産、受注及び販売の状況」を「財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」に統合した上で、記載内容の整理を行います。
併せて、以下の2点についての記載を求めることとします。
ア)事業全体及びセグメント別の経営成績等に重要な影響を与えた要因について経営者の視点による認識及び分析
イ)経営者が経営方針・経営戦略等の中長期的な目標に照らして経営成績等をどのように分析・評価しているか
有価証券報告書等の記載内容に係る改正については、2018年(平成30年)3月31日以後に終了する事業年度に係る有価証券報告書等から適用予定です。
当サイトの関連記事(「ディスクロージャーワーキング・グループ報告」公表について)
企業の開示わかりやすく 金融庁方針、投資家との対話促す(日経)
「金融庁は24日、企業の開示情報に関する内閣府令の改正案を公表した。有価証券報告書(有報)などについて記載内容をわかりやすくするほか、経営者による業績分析をより詳しく記すよう義務付ける。企業と投資家の建設的な対話を促す狙いだ。2018年3月期決算の企業が同年6月ごろに提出する有報から適用する方向で、11月下旬まで意見を募集する。」
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