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また紛糾「怒号のなか質疑打ち切り」スルガ銀株主総会(Yahooより)

また紛糾「怒号のなか質疑打ち切り」スルガ銀株主総会(毎日新聞配信)

また紛糾「怒号のなか質疑打ち切り」スルガ銀株主総会(毎日)(記事前半のみ)

6月29日に開催されたスルガ銀行の株主総会の模様を伝える記事。

同銀行のアパート・マンション向けの不正融資で被害を受けたという人たちが大勢出席したようです。

「総会はJR沼津駅前のイベント施設で開かれた。午前10時、議長席に立った嵯峨行介・同行社長が開会を宣言した。途端に株主席から「不正を認めろ」の声が上がり、「認めろ! 認めろ!」の手拍子が始まった。

2018年にシェアハウスをめぐる不正融資が発覚して以降、同行の株主総会で抗議が続いている。シェアハウス問題は事実上の借金帳消しで解決した。今回、株主席を埋めたのは、同行の融資で中古アパート、マンションを購入した人たちだ。

億円単位の借金を背負い、家賃収入が乏しく返済できなくなった購入者が今年5月、「スルガ銀行不正融資被害者同盟」と名乗る団体を発足させた。審査書類の偽造などで過剰融資が行われたとして同行の責任を追及している。この日、支援者を含め100人ほどが、株主として新型コロナウイルス対策で間隔を空けた株主席に座った。」

総会はいろいろはしょって短時間で済ませてしまったようです。

「一般的な株主総会は事業報告、議案説明などに20~30分かける。ところが嵯峨社長はすべて「株主総会の招集通知に記載のとおり」として説明を飛ばし、開始から4分後に株主との質疑応答に入った。

嵯峨氏が「質問は1人1問」としたのに、株主の1人がかみついた。「コロナのリスクを冒しても多くの人が集まった。すべての質問に回答するまで総会を続けていただきたい」と「動議」を提出した。

「そうだー!」「質問させろー!」の声にかきけされて嵯峨氏の発言は聞き取りにくい。切れ切れに聞こえるなかで、どうやら嵯峨氏は動議を認めたものの採決せず、「議長判断」で質疑を続行したようだった。」

「嵯峨氏は「感染対策もあり、株主は席にお戻り下さい、審議が続行できなくなります」と注意を繰り返した。混乱のなか「審議を打ち切り、議案の採決に移ります」と宣言した。

 議案は嵯峨氏の再任など取締役6人の選任と、監査等委員を務める取締役3人の選任の計二つ。途中から「動議! 動議!」の声も出ていたが、怒号が飛び交うなかで採決が行われ、嵯峨氏が「賛成多数で可決した」と述べた。開会から1時間11分後だった。出席株主数は248人だった。」

水俣病原因企業であるチッソへの一株株主運動(商法改正により1株では総会に出席できなくなり下火になる(なぜか企業のための法律改正は早い))を思い出しますが、これは結局お金の話なので、水俣病患者ほどの同情は感じません。だまされて融資を受けもうからない投資をしてしまったとすれば、気の毒であり責任追及は必要ですが、自己責任の部分も少しはあるでしょう。むしろ、投資家への高利回り・短期回収のために、建設費を節約した安普請の狭い物件に高い家賃を支払わされているテナントの方が気の毒です。
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