IFRS財団東京オフィス開所式のために来日した、同財団幹部が、IFRS導入に関する米SECスタッフ報告書への回答文書について説明したという記事。
「IFRS財団は10月22日に、「IFRSに関するSEC最終スタッフ報告書についてのIFRS財団スタッフの分析(スタッフ分析)」を公表している。スタッフ分析は、米SEC(証券取引委員会)が7月13日に公表した「米国の発行企業の財務報告制度への国際財務報告基準の組み込みに関する検討のためのワークプラン最終スタッフ報告書(報告書)」に対するIFRS財団の“回答”文書だ。アルモグ氏は報告書作成の責任者を務めた。」
「IFRS財団がSECの文書に対する返答を公開した理由について、「スタッフ分析は内部的な報告書だが、米国の組織が真剣に分析した文書に対する回答であり、IFRSを適用するすべての国に参考になるとの考えで公表した」・・・とした。」
4つのポイントがあるようですが、そのうち、コスト負担の問題については以下のように述べています。
「SECの報告書が指摘した最後の大きな課題は米国企業のコストなど、実際にIFRSを適用した際に発生する課題だ。特に「IFRSへの移行が高コストであることが障害と報告書で言及している」(アルモグ氏)。こうした米国会計基準からIFRSへの移行費用についてアルモグ氏は、「IFRS財団の経験などを分析する限り、想定より少なくなる可能性が高い」との意見を述べた。
アルモグ氏によると、自国の会計基準からIFRSに移行した国を分析すると予測より実際にかかったコストを分析した結果、実際にかかった費用のほうが少なかったという。また、現在利用している会計基準とIFRSとの差異が小さいほうが移行コストは少ない。米国会計基準は現状、IFRSとの差異が少ないとしていることからも、米国企業のIFRSへの移行費用は想定よりも少ないと考えられるというのがIFRS財団の見解だ。」
日本基準とIFRSの差異は、米国基準とIFRSの差異より大きいはずですから、移行費用も米国企業の場合より多くかかるということになるのでしょう。
記事で取り上げているIFRS財団スタッフによる分析のプレスリリース
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Trustees publish IFRS Foundation Staff Analysis of SEC Final Staff Report on IFRS(IASB)
日本語版も掲載されています。(ASBJのサイトからは会員しか閲覧できませんがIFRS財団のサイトからはだれでも見れます。)
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IFRS財団の評議員会に対する報告書
IFRS財団スタッフの分析:SEC最終スタッフ報告書「米国の発行企業に係る財務報告制度へのIFRSの組込みの検討に関するワークプラン」について(PDFファイル)
「インドは米国の動向を気にしていない」、日印IFRSダイアローグを開催(ITpro)
「IFRSの導入時期に関して、チョプラ氏は「この業界は不確実であり、いつということは明言できない」としながら、「我々公認会計士協会としては、できるだけ早く導入したい」と語った。さらにインド企業省大臣が「2013年4月にIFRSを導入すべき」と発言したことに触れ、「我々はすでに用意ができている。あとは産業界と政府だ」(同)とした。」
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