欠陥エアバッグ関連の自動車メーカーの損失が1兆4000億円を超えたという記事。
「タカタ製欠陥エアバッグに対する日本の自動車メーカーの費用計上が一巡した。SUBARUは25日、リコール(回収・無償修理)未届け分などを含めた関連費用813億円を2017年4~9月期に特別損失として計上すると発表した。これで日米の運輸当局がリコール対象としたエアバッグについて費用処理がほぼ終わる。各社の開示ベースで費用総額は1兆4000億円を超えた。」
日本のメーカーだけでこの数字ですから、海外メーカー分も含めると、とんでもない数字になるのでしょう。そのほか、タカタ自身が費用計上した金額もあります(これは全体から見ればごくわずかでしょう)。
複数の会社に分かれているので比較的目立たないのでしょうが、1件の製品欠陥問題の費用としては、歴史に残るようなものとなりそうです。
しかし、問題はこれで終わりではないそうです。
「ただ、火種は残る。米当局は「乾燥剤あり」の製品について19年末までにタカタに安全性の立証を求めている。仮に米当局が、このタイプのエアバッグで追加リコールを要請すれば自動車各社は新たな費用負担を迫られる。ナカニシ自動車産業リサーチでは乾燥剤ありのエアバッグのリコール費用は自動車業界全体で約1兆4622億円になると試算している。」
SUBARU、今期純利益予想565億円下方修正 タカタ問題で特損(ロイター)
「スバルは、タカタ製エアバッグのリコール費用として17年3月期までに約735億円、約274万台分を計上済み。今回は新たに、今期以降に実施する予定のリコール費用約813億円、約200万6000台分の特別損失を織り込んだ。
この特損には、交換部品の供給不足に伴い、異常破裂のリスクが低い新品の乾燥剤なしタカタ製品を代用した車両の再リコール費用約161億円、約45万6000台分も含まれている。」
スバルの損失計上が他社より遅れた事情も知りたいところです。もちろん、リコール対象となった車種がちがうので、損失計上時期が違うというのはありえますが、今回のように、将来実施予定のリコール分まで見込むという会計方針であれば、もっと早く計上することもできたように思われます。
タカタ集団訴訟、ホンダも670億円で和解(朝日)
日経記事では、「費用処理がほぼ終わる」と書いていますが、実際はまだまだのようです。
「タカタ製の欠陥エアバッグをめぐり、米国でリコール(回収・無償修理)対象車の持ち主らが起こした集団訴訟で、ホンダは1日、6億500万ドル(約670億円)の和解金で原告側と合意したと発表した。」
「北米ホンダによると、リコールを早く進めるための取り組みが積極的だとの理由から、実際の和解金の支払いは2割減額され、4億8400万ドル(約530億円)になるという。今後、損失として決算に計上する。」
「エアバッグ問題」国交省と経産省の見て見ぬふりこそ大問題だ(現代ビジネス)
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