会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

詐欺容疑:LED開発会社を家宅捜索 「電通」子会社被害(毎日より)

詐欺容疑:LED開発会社を家宅捜索 「電通」子会社被害

LED証明の取引で電通の子会社が損失を出した事件で、関係したLED開発会社「ワールド・ワイド・エンジニアリング」などが家宅捜索を受けたという記事。

「捜査関係者などによると、電通ワ社は2009年にLED照明事業に参入、WWE社と販売契約を交わした。10年8月、横浜市のコンサルタント会社から「全国チェーンのドラッグストアなど計1650店舗の照明をLED化する話がある」と売り込みを受け、WWE社に77万本を発注、前渡し金として約44億円を支払った

 WWE社は都内のメーカーに製造を発注し、11年1月から電通ワ社に商品の納入が始まったが、計画通りに設置が進んだ店舗は数十カ所にとどまった。電通ワ社が調査したところ、コンサル会社の販売計画は架空だった疑いが浮上。WWE社はコンサル会社側に「営業協力金」として3億円を渡したとされ、警視庁は両者が共謀していた疑いもあるとみている。」

これだけでは前渡金をだまし取られたという話ですが、ほかの報道を読むと、もう少し手が込んでいるようです。

電通子会社から50億円以上引き出しか(NHK)

「電通ワークスは、LED製品の製造を開発会社に発注し、顧客に納品されると代金を受け取る仕組みでしたが、納品書が届いても代金が振り込まれないトラブルが相次いだため調査したところ、LEDが製造されておらず、納品書も偽造されたケースが多く見つかったということです。

関係者によりますと、架空取り引きには十数社が関わり、電通ワークスから引き出された資金は少なくとも50億円に上るということです。」

電通ワークスは、仕入先からの直送取引として、現物の動きにはまったく関与せずに、開発会社(あるいはそれと共謀している会社)からの納品書によって売上を計上していたのかもしれません。そうだとすると、電通ワークスは、意図せず、架空の売上と仕入を計上していたことになります。その場合、計上した売掛金が回収されないことになりますが、だまし取った前渡金の一部を売掛金に充当すれば、しばらくは取引が回っているようにみえます。

こういう会計処理も含めて十分解明してほしいものです。

電通子会社から詐取容疑 LED照明開発会社を家宅捜索(朝日)

「組織犯罪対策4課は、ワークス社はワールド社との架空取引で約50億円を支出。50億円はワールド社を通じて別のLED照明製造会社など十数社に流れ、一部は暴力団にも渡った疑いがあるとみて押収資料の分析を進める。」

電通子会社から詐取容疑 LED開発会社などを捜索(日経)

「電通ワークスは港区の商業施設「カレッタ汐留」の運営など、ビル管理事業や不動産事業を展開する電通の100%子会社。2009年以降、LEDに関する数十件の取引で計約60億円の損失を出していた。」
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