会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

企業会計審議会第10回会計部会 議事次第(2023年6月2日開催)(金融庁)

企業会計審議会第10回会計部会 議事次第

2023年6月2日開催予定の企業会計審議会会計部会の会議資料が公開されました。

資料によると、「国際会計基準に関する対応」というテーマで、以下のような項目を議論するそうです。

(事務局説明資料より)

説明資料の中では、IFRSに関して以下のような記述もありました。

「我が国における会計基準に係る議論 等

• 我が国においては、4つの会計基準(日本基準、IFRS、米国会計基準、JMIS)が並存している状態は大きな収斂の中での一つのステップと位置付けている一方で、昨今では、IFRSを任意適用した企業のうち日本基準等への再変更を検討している企業がある
• 我が国におけるのれんに係る会計処理について、経済団体の一つである経済同友会(2022年4月)が公表した提言において、のれんの規則的償却が収益を圧迫し、スタートアップ企業のM&Aの阻害要因になり得るなどとして、規則的償却を見直していくべきという主張がされている。」

経済同友会ののれん償却不要論を紹介しているものの、その方向に進めたいということではないようです。また、日本基準への再変更は、いいとこ取りができないような厳しいルールを定めた上で、認めてもよいのでは。何といっても、日本基準が本則なのですから。また、再変更が完全に禁止だと、中小規模の上場会社は、IFRSに挑戦しようという意欲もなくなるでしょう。

利用が全くない修正国際基準と利用が減っている米国基準については、以下のように説明しています。

(参考資料より)

これらも、金融庁としてどうしたいのかは、よくわかりません。少なくとも、JMISは廃止しても誰も困らないと思いますが...。

会議資料を見る限りでは、何か新しい方針を打ち出すということはなさそうです。各委員に言いたいことを言わせて、おわりでしょう。

四半期開示見直しの関連で議論すべき事項もありそうですが、肝心の金商法改正が危ういようです。

ビジネス法案20本が成立へ 金商法改正案は日程窮屈に(日経)(記事冒頭のみ)

「国会は21日の会期末まで3週間を切り法案処理が大詰めを迎える。企業活動と関係が深い「ビジネス法案」は20本ほどが成立する見通しだ。四半期報告書の廃止を盛り込む金融商品取引法改正案は審議日程が窮屈になっている。成立しない場合は市場への影響も懸念される。」

名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最近の「金融庁」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事