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会計上の見積りの変更に伴う特別損失の計上及び繰延税金資産の計上、並びに通期連結業績予想の修正に関するお知らせ(マーベラス)

会計上の見積りの変更に伴う特別損失の計上及び繰延税金資産の計上、並びに通期連結業績予想の修正に関するお知らせ(PDFファイル)

マーベラス(東証プライム)のプレスリリース(2024年4月26日)。

会計上の見積りの変更により、多額の特別損失を計上するとのことです。

「1.会計上の見積りの変更について

(1)変更理由

 当社グループのデジタルコンテンツ事業を取り巻く環境といたしましては、人件費の高騰や、コンテンツのリッチ化により開発費が増大する一方で、遊びの多様化やユーザーの嗜好変化等により変遷が著しい近年のゲーム市場において、投下した開発費用に対して将来収益による回収の蓋然性の担保がより難しくなっております。

当社グループにおいても、新規オリジナル IP によるヒットタイトルを創出し競争力を獲得するために、積極的な開発投資を行っておりますが、2023 年3月期並びに 2024 年3月期においてリリースした新規オリジナルタイトルについては、いずれも当初の販売計画を下回る結果となり、リリース後に大きなプロジェクト損失を計上し、全社業績の見通し変更を余儀なくさせる主要因となっておりました。

当社グループではこれまで、ゲーム開発費用の会計処理について、プロジェクトの企画承認時からリリース時までに発生する開発費用は全て資産計上を行い、製品・サービスのリリース時より見込販売収益に応じて売上原価に計上をしてまいりました。

しかしながら、昨今の市場環境並びに当社の業績動向を踏まえ、ゲーム開発費用の会計処理を検討した結果、将来収益による回収の蓋然性が高いと判断できる一部シリーズタイトルを除いて、現在開発中のゲーム資産の会計上の見積りを変更して損失処理をすることとし、2024 年4月以降については、一部シリーズタイトルを除いてゲーム開発費用の資産計上は行わず、発生時に研究開発費(販売費及び一般管理費)として費用処理することといたしました。

なお、今回の損失処理は極めて臨時的な事象であり、当社の事業規模に比して多額である事から特別損失として計上する事が妥当であると判断いたしました。

(2)特別損失及び繰延税金資産の計上

今回の会計上の見積りの変更に伴い、これまで開発中のゲーム開発費用として資産計上してきた金額のうち、上記基準の一部シリーズタイトルに該当しないタイトルの中途開発費用である 3,545 百万円について、2024 年3月期第4四半期決算において、ゲーム開発資産評価損として特別損失に計上する見込みとなりました。

また、当該特別損失の計上に伴う将来減算一時差異の増加等により、2024 年3月期第4四半期決算において、繰延税金資産699 百万円を計上する見込みとなりました。」

見積りの変更であれば、遡及修正は不要になりますが、これを読むかぎりでは、見積りの変更というよりは、ゲーム開発費用の会計処理に関する会計方針の変更(資産計上→発生時費用処理)のようにも思われます。(将来回収額に関する?)見積り方法の変更だから、見積りの変更だということなのでしょうか。

大手監査法人(PwC Japan有限責任監査法人)が監査人なので、たぶん、会社の処理に間違いはないのでしょうが...

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