与党税制協議会が消費税の軽減税率に対する意見を諸団体からヒアリングしたという記事。8日のヒアリングでは反対意見が多かったそうです。
「自民、公明両党の与党税制協議会は8日、生活必需品の消費税率を低く抑える軽減税率制度をめぐり、関係団体への意見聴取を始めた。この日は経団連や連合など11団体から導入の可否を含めた意見を聴いたが、中小企業の事務負担増加などを理由に、10団体が制度の導入に反対し、賛成は全国消費者団体連絡会だけだった。」
「軽減税率導入時に必要となる納税事務の見直しをめぐっては、与党税協が商品ごとに税率などを記載するインボイス(税額票)方式など4案を示す。
これに対し、同日の意見聴取後、日本税理士会連合会の上西左大信(うえにし・さだいじん)常務理事は記者団に「今ある制度に比べて複雑なため、採用すべきでない」と強く反対した。」
逆に、9日のヒアリングでは、軽減税率賛成の意見が多く出ています。
軽減税率:与党税制協議会 飲食料品関連団体をヒアリング
「自民、公明両党の与党税制協議会は9日、生活必需品などの消費税率を低く抑える軽減税率の導入について、飲食料品関連の約10団体を対象にヒアリングを行った。大半の団体が軽減税率の導入を支持したほか「軽減税率の対象になるものとならないものの線を明確に引けない」として、すべての飲食料品への適用を求める声が目立った。」
現政権は安保政策優先であり、賛成してくれた公明党の顔を立てて、時期はともかく、軽減税率導入ということになるのではないでしょうか。
「軽減税率に反対。導入しても低所得者対策にならず」
日本スーパーマーケット協会会長に真意を聞く(日経ビジネス)
日本スーパーマーケット協会は、軽減税率の導入に反対だそうです。
「日本のスーパーマーケットの状況を考えても、今後、どのように軽減税率を適用するかという線引きは、ますます難しくなる。
例えば、スーパーマーケットはこれからどんどんレストラン化していく。つまり、お店で買った商品を店内で食べるイートインのコーナーが広がっていくはずだ。コンビニエンスストアなども同様だ。そうなると、レジで支払いをする際に、商品ごとに何がテイクアウトで何がイートインか、分けることは困難だ。
こうした要件を1つひとつ考えていくと、実際にどのように軽減税率を適用できるのか、さっぱり分からない。」
価格表示についてもふれています。
「そもそも、私たちの商売を抜きにしても、税金をいくら払っているかをお客様、国民が分かるようにした方がいい。それを総額表示にして分からないようにしようという考え方は、姑息だ。
かつて、消費税率が3%だった時は本体価格表示だった。それが、消費税率が5%の時に突然、総額表示が義務付けられた。どういう議論があったのかはよく分からないが、所得税の源泉徴収にしても、日本は国民がどれくらい税金を払っているかが見えにくい仕組みになっている。それでは、税金の使い道について寛容になってしまう。それでは、まずい。
税金をいくら払っているかがはっきり分かるようになると、「自分が払ったカネなんだから大切に使ってほしい」という意識が高まる。政治や行政に対する関心も高まるはずだ。高齢化社会の中で、日本の財政はこれから厳しくなる。税金がいかに適切に使われているかをしっかり考える必要がある。消費税についても、それは同じだ。」
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