いわゆるJ-SOXをめぐる今後の動きについて、金融庁企業開示課の担当官に取材した記事。
目新しい内容はありませんが、気になる点を抜粋します。
「金融庁では、「実施基準は米国の動向や実務の状況も踏まえて、過度に保守的にならないように、そして効果的に内部統制の整備ができるようにということを考えた。また、過度に保守的ではないかと思える点については、少なからず認識の違いがあるのではないかということで、機会をとらえては誤解の払拭に努めていきたい」としている。」
「「Q&A」に関しては「基準等に関して、当局に寄せられた照会等に対する回答事例のうち先例的価値があると認められたものを取りまとめ公表することを検討している」という。
また、内閣府令というものには通常、それをよりわかりやすくするためのものとして「ガイドライン」というものを出すのが通常であり、ガイドラインも公表されることになりそうだ。」
「金融庁では「Q&Aはあくまで基準、実施基準の内容の明確化を図るためのものであり、基準等の内容を実質的に緩和するものではなく、このあたりを誤解されないようにしていただきたい。Q&Aの公表を待つということではなく、あくまで基準、実施基準をベースに、着実かつ計画的に内部統制の整備に努めていただきたい」と警鐘を鳴らす。」
金融庁はこれまでも「この制度は過大なコスト負担を強いるものではない」ということをしきりに強調しており、この記事もそれを踏襲しています。それは当局の願望ではあると思いますが、今後、内部統制に関係する大きなスキャンダルが発生すれば、方針が変わる可能性もあります。粉飾事件であれば、粉飾された金額で事件の重要性を客観的に判断することができますが、内部統制は、実際に重大な不正が生じたかではなく、生じる確率を許容できるレベルまで下げられる体制になっているかどうかという抽象的な判断ですから、厳しくしようとすればいくらでも厳しくなります。会社も監査人も、金融庁の宣伝に甘えずに、最低限の準備は行う必要があります(どこが最低限なのかがよくわからないのが問題ですが・・・)。
ちなみに、今週号の経営財務には内部統制報告制度に関する前企業開示課長の解説が載っています。くわしくはそちらをどうぞ。
スーパールーズSOXにやきもき
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