オープンハウス、「暴力団に関与」同業買収の背景、ライバル企業やアクティビストも狙っていた
オープンハウスグループによる三栄建築設計の買収を取り上げた解説記事。
三栄建築設計は、創業者社長が関与していたとされる暴力団への金銭供与が問題となっていました(→当サイトの関連記事)。
「オープンハウスは8月17日から9月28日まで、1株当たり2025円で三栄建設株に対してTOBを実施する。買い付け代金は429億円。三栄建築株の63%超を保有する元社長の小池信三氏とは、公開買付公募契約書を締結している。この公開買い付けの成立後、スクイーズアウト(少数株主から強制的に株式を取得する手法)を実施し、完全子会社化する。
三栄建築の2022年8月期業績は売上高1390億円、営業利益128億円。買収が完了すれば2024年9月期から、オープンハウスの業績(2023年9月期売上高1兆1300億円、営業利益1410億円計画)に、三栄建築の業績が上乗せされる。
三栄建築の純資産額は611億円(2023年5月末時点)と買い付け代金とは差があることから、2024年9月期に負ののれん特別利益が計上される可能性も高い。」
反社勢力と関係があったのは、創業者と一部の幹部だけで、組織全体は悪くないという見方がされているそうです。
香港のファンド「オアシス」まで参戦して、「買収争奪戦」となったそうですが、銀行が動いて、買収スキームをまとめたとのことです。
「今年7月には、香港の投資ファンド、オアシス・マネジメントも三栄建設に対して、TOBを検討する提案書のドラフトを送っていた。
ハウスビルダーやアクティビストの思惑が入り交じり、「買収争奪戦」の様相を呈していたが、混乱する事態にはならなかった。三栄建築とオープンハウスの両社の主要取引行である三井住友銀行が、「橋渡し役になった」(ハウスビルダーのベテラン社員)ことで、オープンハウスの買収スキームがまとまったからだ。
「三井住友銀行は、11月に予定される三栄建築の定時株主総会を乗り切れない(小池氏が取締役として選任されない)と判断し、一刻も早く手を打つ必要があると、動いたようだ」(別の業界関係者)。」
三栄建築創業者とオープンハウスの社長には、個人的なつながりもあったそうです。
記事でふれている、オープンハウスのプレスリリース。40ページ超あります。
株式会社三栄建築設計株式(証券コード:3228)に対する公開買付けの開始に関するお知らせ (PDFファイル)
買収検討のきっかけや、交渉の経緯なども、詳しく書かれています。
比較的少額のかかわりであっても、反社との関わりが発覚すれば、即追放というのは、30年前のイトマン事件の時代と比べれば、相当厳しくなっているのでしょう。
他の上場建設会社は大丈夫なのでしょうか。