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弁護士のおいしいビジネス? 企業の「第三者委員会」は信用できるか(現代ビジネスより)

弁護士のおいしいビジネス? 企業の「第三者委員会」は信用できるか

「第三者委員会」の報告書は信用できるのか、という解説記事。

まず、「第三者委員会報告書格付け委員会」による「レオパレス21」施工不良問題に関する調査報告書への評価について。

「レオパレス21の外部調査委員会については、3人全員が元検察官で、会社との利害関係はない点に一定の評価はあったものの、建築関係の専門家が委員に加わっていない点について専門性に欠けるという指摘が多かった。

久保利氏は「専門性には大きな疑問符が付く。本件のような建築物に関する施工不良、建築基準法違反が問題とされる事案で、なぜ同一事務所の弁護士のみで委員会を構成するのか説得力はない」と手厳しい。

また原因について2006年に代表取締役社長を退任した深山祐助氏に責任があるという報告書の結論について、疑問視する声も多かった。」

第三者委員会ビジネスという分野ができているそうです。(会計不正の場合は大手監査法人系の会社もそれに加わっているのでしょう。)

「日弁連がガイドブックをまとめているにもかかわらず、それに準拠しない第三者委員会や報告書がまかり通るのは、第三者委員会を設置するのが問題を起こしている企業の取締役会や経営者であるケースがほとんどのため。委員には会社から多額の報酬が支払われている。

短期間にそこそこの人数の弁護士を動員できる大手中堅の弁護士事務所によって「第三者委員会ビジネスともいえる分野が出来上がっている」(久保利弁護士)面もあり、経営陣に厳しい報告書を出せないという事情があるとみられている。格付け委員会の格付けについては、業務妨害だと苦情を言う弁護士もいるという。

第三者委員会というと、あたかも第三者が中立的な立場から問題点を指摘するものだと期待させられる。だが、それが本当に機能するためには、第三者委員会を引き受ける委員らの「覚悟」が必要であることは言うまでもない。」

第三者委員会を設けて、報告書を公表するだけでも、まだましといえるかもしれません。日産自動車などは、ゴーン事件について、徹底的に調べたとはいっているものの、本当に独立した専門家による調査が行われたのかは、まったく不明ですし、詳細な報告書も公表されていません。

なお、会計士協会からは、不健全な会計不正調査ビジネスがはびこっているという報告書が出ています。

当サイトの関連記事(「近年の不正調査に関する課題と提言」という報告書について)
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