上場企業の有価証券評価損を取り上げた記事。「この1カ月余りで約250社の上場企業が評価損の発生を公表し、損失総額は1兆円を突破した」そうです。
100年に一度の金融危機(少し大げさ)とはいえ、古いものはバブル崩壊後どの会社も減損処理を済ませているはずなので、ここ数年の間に取得した株式の評価減が多いと推測されます。
M&Aのような目的がはっきりしているのであれば、まだ理解できるのですが、「敵対的買収への対抗策として企業同士で株式を持ち合っていたケース」などは、バブル崩壊の学習効果がなかったわけであり、あまり同情できません。
(書籍の紹介)
早わかりサブプライム不況 「100年に一度」の金融危機の構造と実相 (朝日新書) 中空 麻奈 by G-Tools |
この本によればリーマンが破綻したのは外国の政府系ファンドが出資していなかったから(出資がなかったのは評価減の計上が遅れたため)だそうです。よく知っている人には物足りないかもしれませんが、頭の整理には役立ちます。いたずらに危機感をあおるようなサブプライム本ではありません。