経営財務によると、IASBの「のれんと減損」プロジェクトが基準設定の段階へ進んでいるそうです。
「今後は「基準設定」の段階へと進み、プロジェクト名を「企業結合―開示、のれんおよび減損」に変更する 」
詳しくは、週刊経営財務2月6日号をご覧ください。
IASBのサイトでは、IASB鈴木理事によるこのプロジェクトの解説の日本語訳が掲載されています。
合併及び買収に係る開示とのれんの会計処理に係るIASBの洞察(IASB)
「鈴木理加IASB理事が、企業による合併及び買収(企業結合)についてのより良い情報開示のあり方、並びに、のれんの減損テストのみのモデルを維持するか、もしくはのれん償却モデルを再導入するかに係るIASBの決定内容を説明します。
本プロジェクトは、IASBの作業計画において基準修正を提案する公開草案の作成準備を行う基準設定の作業計画へと移行しています。」
企業結合-開示、のれん及び減損 プロジェクト・アップデート(IASB)(PDFファイル)
「ディスカッション・ペーパーにおけるIASBの予備的見解は、企業に対し、事業を取得した年度に以下の開示を求めていた。
• 企業結合から期待されるシナジーの金額
• 企業結合についての経営者の目的
• 当該目的が達成されたかどうかを経営者がモニタリングするにあたり、内部報告目的で使用することを計画している指標及び目標
また、事業を取得した年度の後の各報告期間に、企業結合についての目的の達成に対する進捗度を当該指標を用いて開示することを求めていた。」
「IASBは、特定の状況において、必要な情報の一部について開示を免除することを決めた。企業は、経営者の目的及び企業結合をモニタリングするために使用することを計画している指標及び目標に関する情報、並びに、期待されるシナジーに関する定量的情報の開示を行わないことを選択できる。一方で、企業結合後の各期間における業績に関する情報の開示は、引き続き求められる。IASBは、情報を開示することが企業結合の目的の達成を著しく損なうと予想される場合にのみ当該免除を認めようとしている。」
「IASBは予備的見解を修正し、「戦略的に重要な」(strategically important)企業結合 に対してのみ以下の開示を求めることとした。
• 企業結合に対する経営者の目的
• 企業結合をモニタリングするために使用することを計画している指標及び目標
• 企業結合後の各報告期間における企業結合の目的達成に対する当該指標を用いた進捗度」
資料の後半では、「のれんの会計処理」(のれん償却の再導入など)の議論について経緯を説明しています。