会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

監査人交代事例5件、処分勧告の影響も(5月27日)

最近の監査人交代事例です(5月27日発表分)。

まず、新日本の退任2件。

1.MUTOHホールディングス(東証1部)

会計監査人の異動に関するお知らせ(PDFファイル)

新日本→Mazars有限責任監査法人、の交代です。

監査継続期間と監査報酬水準を理由にしています。

「現任の会計監査人については会計監査が適切かつ妥当に行われることを確保する体制を十分に備えているものの、監査継続期間が長期にわたること、当社の事業規模に適した監査報酬水準の観点から、監査等委員会は 会計監査人を見直す時期にあると判断いたしました。」

現監査人の就任年は、2006年です。

2.セ フ テ ッ ク(ジャスダック)

公認会計士等の異動に関するお知らせ(PDFファイル)

新日本→東邦監査法人、の交代です。

関与年数と報酬増が交代のきっかけです。

「当社は、同監査法人の当社への関与年数が長期に渡り、また今般、監査工数及び報酬が増加する旨の説明を受けたことから、これを契機に当社グループの事業規模に見合った監査体制及び監査費用の相当性等を総合的に勘案した結果、会計監査人を見直すこととし、新たに東邦監査法人を会計監査人として選任するものであります。 」

現監査人の就任年は、2007 年です。

トーマツの退任。

3.日本プリメックス(ジャスダック)

公認会計士等の異動に関するお知らせ(PDFファイル)

トーマツ→アーク有限責任監査法人、の交代です。

監査継続年数、監査対応、監査報酬が理由です。

「当社の監査役会は、現会計監査人の監査継続年数が長期にわたっており、従来と異なる視点や手法による監査を通じて当社の財務情報の更なる信頼性の向上を図ること、及び当社の事業規模に適した監査対応と報酬の観点から、複数の監査法人を比較検討してまいりました。」

現監査人の就任年は、1999 年です。

その他2件。

4.日 本 化 学 産 業(東証2部)

会計監査人の異動に関するお知らせ(PDFファイル)

仰星監査法人→アーク有限責任監査法人、の交代です。

監査継続年数などを理由にしています。

「現在の会計監査人につきましても、 会計監査が適切かつ妥当に行われる体制を十分に備えているものと考えておりますが、監査継続年数が長期にわたっていることに加え、当社の事業規模や近年の経営環境を踏まえた会計監査が必要であると判断したことから、他の監査法人と比較検討を行ってまいりました。 」

「当社の事業規模や近年の経営環境を踏まえた会計監査」というところがあいまいですが、後任の選任理由によると、「当社の業務内容や事業規模を踏まえ、監査法人としての独立性、専門性及び品質管理体制、並びに監査報酬等を総合的に勘案」したそうです。

現監査人の就任年は、1994 年です。

5.大崎電気工業(東証1部)

公認会計士等の異動に関するお知らせ(PDFファイル)

監査法人原会計事務所→RSM清和監査法人、の交代です。

監査法人への処分勧告が影響しています。

「当社は 59 年以上継続的に監査法人原会計事務所を会計監査人として選任してまいりましたが、監査役会は、同監査法人による監査継続年数が長期にわたること、及び 2021年 2 月 26 日に公認会計士・監査審査会より金融庁長官に対し同監査法人についての勧告があったこと等に鑑み、上記3.に記載の理由により、新たにRSM清和監査法人を会計監査人として選任することとしたものであります。」

清和監査法人も少し前にはけっこう厳しい処分を受けているのですが、その後、大手監査法人の処分などもあり、もう影響は払拭したのでしょう。
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