会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

経営者は自ら戦略とリスクを語れ(日経より)

経営者は自ら戦略とリスクを語れ(記事冒頭のみ)

開示府令改正で有報の記載が変わることを取り上げた日経社説。金融庁が開示例を公表する予定というのは新しい情報かもしれません。

「これまで日本の有報は、米欧に比べて定性的な記述が乏しく、投資家の不満が根強くあった。昨年の金融審議会の報告を踏まえて内閣府令が改正され、記述情報の充実が上場企業に求められる。適用は2020年3月期だ。」
 
会計上の見積もりの変化が経営に与える影響も開示の対象になる。」

「大事なのは経営トップ自らが発信する姿勢だ。すでに経営者が経営方針を書き下ろし、任意で開示する企業も出ている。内容は紋切り型ではなく、各社が工夫するのが望ましい。金融庁は3月に開示例を集めて公表する方針だ。」
 
リスクの開示では、有報の提出後に状況が変わった場合、虚偽記載の責任を問われることを心配する企業の声もある。金融庁は提出時点で合理的と考えられる範囲で具体的に説明すれば、結果責任を問わないとの考え方を示している。むしろ、重要なリスクと認識しながらあえて記載しないほうが問題だろう。」

日産ゴーン事件のように、財務諸表以外の有報虚偽記載でいきなり逮捕という例もあるので、後で文句を言われないように、当面は、紋切り型で抽象的に幅広く書いておくというパターンが多いのでは。

ついでのように、会社法の開示との一体開示についてもふれています。

「有報の開示時期は株主総会後という企業が大半だ。投資家からみれば、総会資料である事業報告などと有報が一体的に開示になるほうが望ましい。」

株主は会社にとって最も重要な利害関係者なのですから、総会前に最も詳しい情報である有報(あるいはそれと同等以上の報告書)を開示するのがあるべき姿だと思われます。

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