会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

フジテック元会長「会社はオアシスの言いなりだ」(東洋経済より)

フジテック元会長「会社はオアシスの言いなりだ」

今年3月に解任されたフジテック元会長へのインタビュー記事。社外取締役選任の株主提案を行ったそうです。

「──3月28日の取締役会の決定で会長職を解任されました。今の気持ちを率直にお聞かせください。

現在のフジテックの状況を心配している。本来、取締役会には独立性や透明性が必要だが、オアシスの言うとおりに行動している。だからこそ、今回株主提案をした。...」

記事の最初の部分では、会社に対する自分の功績について述べています。社外取締役を入れ替えた上で、自分が取締役に返り咲くことも考えているようです。

あやしい関連当事者取引・公私混同疑惑や第三者委員会調査打ち切りについては...

「──オアシスが指摘する「疑惑」については?

話題に上がっているマンションは、会社が購入した時には約2.9億円だった。買い取った額は約3.7億円であり、会社に損害を与えていない。オアシスの主張する物件価値7億円には根拠がない。

庭師の件は、フジテックで長年働いていた社員のOBがアルバイトとして作業をしており、作業の際に会社の制服を着ていた。個人のトラックや顔写真が表に出されて、本人は非常に迷惑している。

第三者委員会の調査が打ち切られた件は、フジテックに抗議のレターを送り、東証にも説明書を出している。調査には協力していた。昨年12月ごろに半日の調査を2回受けている。書類についても、ほぼ出していたと思う。もちろん、30年40年前のものもあり、足らない部分はあるが、窓口の担当者は努力をしていた。

第三者委員会には継続して調査をお願いするという申し出もしていた。私が知っている限りでは、「継続します」ということで何度もメールで交流はしていた。2月の臨時株主総会の後、フジテック側の窓口が社外取締役に変わった。そして第三者委員会から調査を打ち切ると返事があった

2月の臨時総会前にあったと指摘されている社外取締役候補への妨害行為については、そういうことはないと思うし、調査をするのであれば、フジテックの費用ではなく、オアシスの費用でやるべきだ。」

公私混同疑惑が濡れ衣なら、昨年の株主総会で、堂々と反論すればよかったのに...。

「──2022年6月23日の定時株主総会では、開始1時間前に自身の取締役再任議案を撤回しました。

大変、申し訳なかったとは思う。

6月17日に第三者委員会が設置されると発表していたので、再任はやめるべきだということはすでに決まっていた。ただ財務本部が開示を担当していて、総会当日の開示になってしまった。」

オアシスを攻撃しています。

「取締役会はオアシスの要求どおりに動いている。聞いた話では、取締役会では緊急動議が3回もあり、十分な討議もなく、すべて可決されているそうだ。フジテックの歴史のなかで緊急動議なんてあり得なかった。

オアシスの投資した他社を見てもらえればわかるが、会社の経営には興味がない。短期間で売り抜けるのが、彼らのやり方だ。実際、事業経営の話はいっさいないわけです。

フジテックは今年、75周年。これまで脈々と企業価値を向上して、社会インフラの重要部分を担ってきた。これが、ほかの国に売られるなんてことになったら、由々しき問題だ。」

解任「フジテック元会長」が物言う株主に報復戦
創業家・内山氏が社外取8人の選任を株主提案
(東洋経済)

「オアシスがキャンペーンを仕掛けたのは2022年5月だった。「Protect Fujitec(フジテックを守るために)」と題した特設サイトを立ち上げ、全61ページにもわたる資料を掲載。当時社長だった内山氏に関わる疑惑の数々を追及した。

この資料では、内山家が私的利用するための高級マンションをフジテックが取得し、適正価格よりも大幅に安い金額で内山家に売却した疑惑があることを指摘。さらに内山氏がフジテックの社員に自宅の掃除をさせていたなど、権限を濫用していると糾弾した。

内山氏が信頼を大きく失ったのは、この資料が公開された後に開催された6月の株主総会だった。

内山氏は、総会の1時間前に取締役への再任議案を取り下げるという前代未聞の行動に出たのだ。しかも取り下げ後に、取締役でも執行役でもない「会長」のポジションに就いた。

株主からすると内山氏が経営陣にとどまることについて賛否の意志を示すことができなくなった。「異議を唱える機会を奪われた」と、オアシスのセス・フィッシャー最高投資責任者が憤るのもうなづける。」

株主提案に関する書面受領のお知らせ(フジテック)(PDFファイル)

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