日本たばこ産業(JT)の2008年3月期の連結営業利益が、英たばこ大手ガラハーの買収効果で大幅に上方修正され前期比33%増の4400億円前後になる見通しであるという記事。
しかし、日経の財務面の記事によると、JTは1999年のナビスコの買収で発生したのれんについて、米国基準に従い02年に償却を停止し、ガラハーののれんについても償却していないようです。つまり、日本基準に準拠した決算の中に、海外基準による処理が混在している状態で、いいとこ取りをしていたわけです。もっとも、来年度からは、現地の会計基準はそのままでは認められず、重要な差異については日本基準に合わせる必要が出てきます。記事によれば、1000億円を超えるのれん償却が発生する見込みとのことです。
ただし、8日のASBJの発表によれば、2011年には日本基準を国際会計基準に完全にあわせるということなので、将来的には、のれん償却ゼロに戻ることになるのでしょう。さらに、ASBJは過年度遡及修正の論点整理を出しており、これが本決まりになれば、会計方針の変更を遡及修正でやらせる可能性もあります。そうすると、来年度以降の決算については、まずのれん償却ありの決算が発表され、2011年にはそれがのれん償却なしの決算数値に修正される(期間比較で開示される期だけですが)ということになります。
まったくややこしい話です。
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