会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

破産申請の衝撃、SPACのダークサイドが浮き彫りに(Forbesより)

破産申請の衝撃、SPACのダークサイドが浮き彫りに

米国で、特別買収目的会社(SPAC)との合併により上場した会社が倒産したという記事。

「小売スタートアップ企業のエンジョイ・テクノロジー(Enjoy Technology)は2022年6月30日、米連邦破産法第11条の適用を申請すると発表した。同社が、特別買収目的会社(SPAC)との合併を通じて株式上場を果たしてから、わずか9カ月後のことだ。」

SPACの問題点。

「SPACは、審査を回避する構造になっている。株式プロモーターや金融業者は、主要取引所に対して上場を申請する。その目的は、現金のみを保有することで、米証券取引委員会(SEC)への申告義務を回避することにある。こうした直接上場は、この白紙小切手会社が、継続するとされる企業と合併することで実現する。そこにアンダーライター(主幹事)は存在しない。投資家に代わってデューデリジェンスを行う者は誰もいないのだ。

2020年と2021年のあいだに、それぞれ248件と613件のSPAC案件があった。多くの未熟な企業が、アイデアとセールスピッチだけをもって公開市場へと急がされた。投資家は、このプロセスが不調に終わったことに驚くべきではない。すべては詐欺だったのだ。」

この会社の場合は...

「カリフォルニア州パロアルトを拠点とするエンジョイのビジネスは、AT&T、ブリティッシュ・テレコム、ロジャーズ・コミュニケーションズ(Rogers Communications)、アップルに代わって携帯電話を提供し、エンジョイの代理店に、より高い製品やサービスを追加で販売させるというものだった。このモデルは決して利益を生むものではなかった。2021年末までには、粗利益率はマイナス34.5%の赤字で、1億5800万ドルの損失を出していた。

それでも、エンジョイは2021年10月、マーキー・レイン・アクイジション(Marquee Raine Acquisition Corp.)とのSPAC合併により、2億5000万ドルを調達することに成功した。この取引により、金欠のエンジョイは、12億ドルと評価された。そして9カ月後、同社は破産申請をすることになった。」

他の会社もひどい状況のようです。

「2021年にSPAC上場を行った613社のうち、78社は現在、1株当たり2ドル以下で取引されている。このうち25社は、ナスダック証券取引所への上場を維持するための基準である1ドル未満で取引されている。」

日本は今からSPACを導入するようですが、うまくいくのでしょうか。

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