日本航空の経営再建問題で、政府が法的整理による再建を支持する方針を正式に表明するという記事。
「日航は19日をめどに会社更生法を申請し、支援機構が正式に支援を決定する方向で調整している。事前にまとめた計画に基づき再建を目指す「プレパッケージ(事前調整型)」と呼ばれる手法を採用する。
法的整理に伴い、日航は100%減資を実施し上場廃止とする方向で詰めており、日航株は事実上無価値となる見通しだ。」
会社更生法を適用しながら上場維持するという説もありましたが、結局通常のパターンになったようです。
【日航再建】3年で1万5000人超削減、支援機構計画 債務超過8000億円台半ば
「支援機構は、日航の経営状況について8千億円台半ばの債務超過に陥っていると判断しているもよう。このため、取引金融機関の債権放棄を含む約7300億円の債務カットのほか、支援機構による3千億円の出資を再建計画に盛り込み、資産超過にする考えだ。」
こちらの記事ではまだ「資本金の90%以上を取り崩す減資で上場を維持するか、100%減資で上場廃止とするかを最終的に詰めている」となっています。100%減資の場合は、株主の権利はゼロになってしまうわけですが、100%未満の減資であれば、90%だろうが99%だろうが、減資自体では株式の価値自体は変わりません(株数は減るが1株当たりの価値は増える)。
この例だと、金融機関による債権放棄や支援機構による出資により資本が増える効果(1株当たり価値増加)と、出資やデットエクイティスワップによる株式数の増加の効果(1株当たりの価値低下)の組み合わせで既存の株式の価値が決まります。株主の責任を問うことが必要だとしても、100%減資により全くゼロにする必要があるかどうかは、判断の問題でしょう。(注:単純化のため優先株は無視しています。)
日航上場廃止へ 米社の出資盛り込まず 機構計画
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