伊藤忠商事が、子会社であるファミリーマート株式を公開買い付けするという記事。
「1株2300円で、買い付け代金は約5808億円となる。」
「ファミマ株式は現在、東京証券取引所一部に上場しているが、TOBの結果、上場廃止となる見込み。ファミマ株の所有割合は伊藤忠商事が41.5%、完全子会社の伊藤忠リテールインベストメントが8.6%で、計50.1%を保有しファミマを連結子会社としている。
また、ファミリーマートの非公開化後、伊藤忠は全国農業協同組合連合会(JA全農)と農林中央金庫(農林中金)に対してファミマ株の4.90%を約570億円で譲渡する予定。」
すでに連結子会社となっている会社の株式の追加取得であり、連結会計上は、非支配株主に対する資本の払い戻しということになり、買い付け代金分の現預金が減って、同額純資産が減るこということになるのでしょう(資本取引)。あらたなのれんの計上はありません。
農林中金への譲渡についても、資本取引扱いで、現預金の増加と純資産の増加という処理になり、損益は生じないのでしょう。
会社のプレスリリース。
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株式会社ファミリーマート株式に対する公開買付けの開始に関するお知らせ(伊藤忠商事)(PDFファイル)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5d/b7/5eecb4fced8f8c29813a528cb999d630.png)
(上記プレスリリースより)
伊藤忠は、19年3月期に、ユニー・ファミリーマートホールディングスの子会社化による再評価益1400億円を計上しているようです。
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当サイトの関連記事(2018年11月)
こちらは、あらたに子会社化する取引ですから、のれんが発生するのでしょう。
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コロワイド、大戸屋HDにTOB発表 最大71億円(日経)
「外食大手のコロワイドは9日、定食チェーン「大戸屋」を展開する大戸屋ホールディングスの株式をTOB(株式公開買い付け)で買い増すと発表した。コロワイドは最大で71億円を投じ、大戸屋HDの株式保有割合を現在の19%から51%に引き上げる。」
「買い付け価格は1株あたり3081円で、8日終値(2113円)より46%上回る。」
「コロワイドの現在の保有分を含んだ買い付け予定数の下限は、発行済み株式の45%とした。上限は51.32%と設定し、子会社化しても上場は維持させる考え。」
コロワイドの2020年3月期有報を見ると、資本389億円に対し、のれんが718億円にもなっています。
会計基準はIFRSなので、のれんの償却を心配する必要はないのでしょう(減損はあり得ますが)。
すでに保有している19%分は、子会社化時点で再評価し、損益を計上することになるのでしょう(買付価格が低すぎると時価が低いということになって損失が生じる?)。
株式会社大戸屋ホールディングス株式(証券コード : 2705)に対する公開買付けの開始に関するお知らせ(コロワイド)(PDFファイル)
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