会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

浅川容疑者の知人公認会計士事務所も家宅捜索 虚偽の報告書作成の経緯を捜査(産経より)

浅川容疑者の知人公認会計士事務所も家宅捜索 虚偽の報告書作成の経緯を捜査

AIJ投資顧問による年金資産詐取事件で、AIJ社長の依頼で虚偽の運用実績を示した監査報告書を作成したとされる公認会計士の事務所が、家宅捜索を受けたという記事。

「捜査関係者によると、AIJが運用していたファンドについては、海外の監査事務所が定期的に監査し報告書を作成。報告書には運用失敗で資産額が減少した数値が記されていたが、浅川社長は、この公認会計士事務所に依頼し、失敗を隠してプラス運用に書き換えた報告書を作成させていた。

 AIJ側は、顧客の年金基金からファンドの運用実績の詳細開示を求められても「開示義務がない」などと拒否していたが、再三要求してきた東京都内の基金などには、会計士事務所に作成させた報告書を提示していたという。」

会計士であれば、監査報告書偽造の意味はわかっているはずなのに、なぜそんなことをしたのでしょう。監査報告書そのものを偽造したというより、監査報告書が添付されていた財務諸表の方を改ざんしたのかもしれませんが、同じことです。

AIJ社長、顧客に偽の監査報告書「自ら主導」(読売)

こちらの記事では、監査報告書の開示を求めた会社の名前が出ています。

「アドバンテストによると、同社の年金基金は2009年2月、初めてAIJと契約した。同社では米国の会計基準を採用しているため、米当局に提出する資料を作成する必要があり、毎決算期末に合わせて、AIJ側に英領ケイマン諸島のファンドの監査報告書を提出するよう求めていた。」

日本基準の会社でも、年金資産の時価を確かめる手続が必要なはずですが・・・。

会計士協会からは、「年金資産の消失事案を受けての監査及び会計の専門家として提言」というのが出ていますが、年金運用を委託している会社の監査人のための留意事項もまとめてもらいたいものです。
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