6月7日に開催された公認会計士制度に関する懇談会の第7回会合を取り上げた記事。
事務局案が公表されたようですが、2段階制どころか、「プロフェッショナルを目指す者」、「フルスペックでない会計のプロフェッショナル」、監査業務ができる「フルスペックの公認会計士」という3段階制を考えているようです。具体的には、最後のフルペックの段階で、実務要件を厳しくしたり、修了考査の合格率を下げたりして、レベルを維持する(人数を絞る?)ことを考えています。
それでは1段階目はどうするかというと「1段階目の資格試験は短答式とする。1段階目の合格者全員に合格順位を通知し、合格者はその順位によって自らの位置付けを知ってもらう(一般企業に就職するか、もしくは監査法人を目指すか、などを判断する)」ということで、相当間口を広げることになります。
要するに、経済界から試験を簡単にしろと言われて、1段階目は論文式なしの簡単な試験としたうえで、会計士協会や学者の学歴、実務経験などを厳しくし質を確保すべき(結果として人数も絞られる)という意見に対しては、第3段階のハードルを高くすることによって対応したということでしょうか。受験者にとっては、1段階目から最終段階まで、さらに数年かけて選別されるわけで、旧制度の3次試験がやたら難しかったころ(現在の代表社員より少し前の世代)の再来といえるかもしれません。ただし、旧制度と異なり、試験の成績だけでは決まらないという点では、プロセスがより不透明になる(たとえばコネの横行)懸念もあります。
(法人によって差はあるとは思いますが)監査業界も急速な業績悪化で、試験合格者のことを心配する余裕がなくなりつつあります。試験制度の議論がどうなろうと、今年の会計士の就職は非常に厳しいものとなるでしょう。
第6回公認会計士制度に関する懇談会議事録(5月に開催された前回の懇談会の議事録です。)
(補足)
7日の懇談会の資料が掲載されました。
第7回公認会計士制度に関する懇談会 議事次第(金融庁)
公認会計士制度の論点メモという資料では、試験制度の枠を超えて、以下の図のような大きな話になっています。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/77/97/ba106b8ac9ce2df9483ba524446a285f.png)