ムーディーズが総額約3000億ドル(約27兆円)相当のCMBSの格付けを見直す方針を表明したという記事。
「ビルなど商業用不動産向けのローンを小口化したCMBSは大手金融機関が多く保有している。格下げで価格下落が加速すれば金融不安がさらに深刻になる恐れがある。」
ローンが証券化されているという点を除けば、日本のバブル崩壊、不動産価格下落のときと状況は同じです。米国不動産価格の下落が止まらない限り(まだ止まりそうにありませんが)状況は好転しないでしょう。
また、日本の場合は融資の当事者である銀行(住専やノンバンク経由の融資の場合は住専・ノンバンクに融資していた銀行)への影響でしたが、今回の金融危機ではこれもよく言われているように証券化商品を保有している投資家にも影響します。証券化商品の時価評価については、最新の情報に基づいて行われているか、十分なチェックが必要でしょう。
(書籍の紹介)
会計という守備範囲をはるかに超えた問題ですので、一般向けの書籍で補強しているところです。やたらと危機感をあおるような記述や、理屈がおかしいと思える箇所が含まれているものもありますが、参考にはなります。
早わかりサブプライム不況 「100年に一度」の金融危機の構造と実相 (朝日新書) 中空 麻奈 by G-Tools |
グローバル恐慌―金融暴走時代の果てに (岩波新書) 浜 矩子 by G-Tools |
金融資産崩壊-なぜ「大恐慌」は繰り返されるのか (祥伝社新書140) (祥伝社新書) 岩崎 日出俊 by G-Tools |
金融大崩壊―「アメリカ金融帝国」の終焉 (生活人新書) 水野 和夫 by G-Tools |