会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

融資不正の調査結果、不動産業者が「非公表」(朝日より)

融資不正の調査結果、不動産業者が「非公表」

スピリタスという不動産会社が、不正を調べる第三者委員会を設けたと発表していたのに、結局、その調査結果を公表しないことにしたという記事。

不動産投資に絡む融資不正などを調べる第三者委員会を設けたと昨年7月に公表していた不動産会社スピリタス(東京)は、朝日新聞の取材に対し、調査結果は公表しないことを明らかにした。調査は終わったが「社内用として調査を行ったため」だとしている。」

上場会社ではないようなので、開示しなければならないというルールは何もないのでしょう。しかし、不正の有無や不正があった場合の再発防止策などがあきらかにされない以上、不動産投資をやろうという人は、近づかない方がよさそうです。

また、この会社が絡んだ融資を行っていた金融機関の方は、不正有無の調査、顧客への説明、必要であれば引当金の計上など、適切な対応を取っているのでしょうか。

第三者委員会の設置に関するお知らせ(2020年7月)(スピリタス)(PDFファイル)

りそな銀元社長が顧問の不動産会社、銀行融資で不正疑い(2020年5月)(朝日)

「問題の会社は東京都内にあり、ここ数年で新築アパートを少なくとも数十棟販売。「極小ワンルーム」を売りに、テレビや新聞などでも取り上げられた。会社のホームページでは今年3月まで、元りそな銀社長が「顧問」として紹介されていた。

同社の内部資料や顧客らの説明では、同社はりそな銀やみずほ銀、地銀の千葉銀(千葉県)や大光銀(新潟県)などに顧客を紹介実際よりも高い物件価格を銀行側に示して過剰な融資を引き出していた疑いがある。一部では、顧客に十分な自己資金があるように見せるため、顧客のネットバンキング画面の口座残高を偽造して銀行側に示し、融資を引き出しやすくしていたとみられる例もあった。」

この会社とは関係ありませんが、不動産投資関連の不正に関する記事。

フラット35投資悪用消えず 業者が甘い誘惑、返済難も(朝日)

「利用者3人は20~40代の独身男性で、年収300万~500万円台の会社員ら。それぞれ別のブローカーや不動産業者から、「老後の備えになる」「抱えている借金を帳消しにできる」などと誘われ、窓口となる金融機関に「居住用」と偽って融資を引き出していた。審査を通りやすくするため、源泉徴収票などを改ざんして収入を水増ししていた事例もあった。

購入物件は、築20年以上のマンションや戸建てで、融資額は2千万~3千万円台。同じマンションや地域の類似物件は半値前後で売られており、不動産業者が相場とかけ離れた高値で売って、多額の利益を得ていた疑いが強い。

3人は、もともとカードローンなどで数十万~数百万円の借金を抱えていた。いずれも業者が全額返済できる資金を提供し、フラット35のローンを組ませていた。物件を高値で売れば回収できるため、融資審査を有利にする狙いもあったとみられる。」
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